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皇治の魅力と天心vs皇治の試合予想(越境者に沸くファン達よ、この一撃で目を覚ませ)

久しぶりの投稿。

今週9月27日に開催されるRIZIN.24。

その興行のメインを張る今年最大のビッグマッチ「那須川天心vs皇治」について記していこう。

1.那須川天心vs皇治 勝敗・試合内容予想。

早速勝敗予想から。

まずは両者の直近の試合から考察していこう。

まずは皇治の直近2試合を見ていこう。

①vs大岩龍矢戦

②vs川原誠也戦

↑の2試合の他に武尊戦、ヤン・サイコ戦も確認したが、皇治のファイトスタイルの特徴としては、

(1)オーソドックスのべた足。ステップを使わないどっしり構え

(2)攻撃パターンはローキックで組み立て、パンチのワン・ツー。顔面に散らしてからのボディブローあるいはミドルキック

(3)ディフェンスは両手で顔をがっちり覆うブロッキング。所謂“亀ガード”

(4)とにかくステップが無く、足を使わない。

言えばもっとあるが、ファイトスタイルをざっくりまとめると⇧こんな感じだ。

中でも私が強く感じたのは、とにかく戦い方が”素直すぎる”のだ。

具体的に言うと、フェイントと言えるフェイントがほとんどない。例えば、強弱のあるパンチがほとんどなく、全力でほとんど打ってる場面もあれば、フェイントを入れず「右ストレート打つよ」「ワンツー打つよ」と言わんばかりの単調な攻撃ばかりだ。

かつて新生K-1でライバル関係にあった新生K-1のエース武尊は、ボディと見せかけての右フックだったり(皇治は2018年12月武尊戦でこれで1度目のダウンを喫してる)、今回戦う那須川天心は左ミドルキックと見せかけて左ストレートからの右フックだったり、フェイントを織り交ぜながら、技のレパートリーが多彩だ。特に今回戦う那須川天心が技のレパートリーで言うと群を抜いている。

そして、最も気になったディフェンス。”亀ガード”しかないのだ。しかも足が止まる。両手で顔面を覆うブロッキングは自分よりも圧倒的に体格で劣る相手には有効だが、そうでなければ、両手でがっちり覆うだけだから、ぶっちゃけ「根性で耐える!」と言うディフェンスなのだ。

例えば魔裟斗はステップで足を使いながらパーリング(打ってきたパンチを片手で弾き、距離をずらす技術)を良く使っていた。他のディフェンス技術が卓越してる選手だと、久保優太は相手が出てきたタイミングで前蹴り、ミドルキック、三日月蹴りを織り交ぜ、相手が前に出にくくしたり、野杁正明は相手が攻撃するタイミングで前蹴りまたは三日月蹴り以外にも、片手を前に出し、相手がパンチを出しやすい距離を壊したりしている。中でも、今回戦う那須川も特にディフェンスが上手い。相手が当たる距離をずらし、相手が前に出てくるところにフェイントを掛けたりしながら、相手を前に出させない。


皇治に関してはネガティブな事ばかり言ってしまったが、これが率直な感想なのだ。

長所と言えば「打たれ強さ」と言う点だろうか………


では次に対戦相手の那須川の考察に移るが、これが凄いんだ………

vs江幡塁戦


vs笠原友希戦


那須川天心のファイトスタイルの特徴

(1)攻撃と防御一体のサウスポー。とにかく距離設定が上手く、相手の攻撃によるクリーンヒットはあまり見たことがない。距離をずらすのがとにかく上手い。

(2)技のレパートリーがえげつない。至近距離になれば左ストレート、右フック、テンカオのボディへの膝蹴り、時にはバックスピンキック等の大技によるカウンター。

(3)スピードも速く、近年では3分5Rでもスタミナ切れを起こさずペース配分もできる。小刻みにステップを踏みながら、スピードの強弱を巧みに使い分ける。

(4)最近ではボクシング技術のレパートリーも増えた。前までは左の大砲を如何に当てるか?やボディのパンチで効かせるシーンが多く見られたが、直近の試合では右のフックでダウンを奪ったり、オーバーハンドレフトなど変則的なパンチで額をカットしたり、AbemaTV企画の亀田興毅戦では左アッパーで効かせるシーンもあった。


………まぁ、攻守とも非常にレベルの高く何でも出来る、どの局面からでも倒せる選手だ。

勝敗予想は言うまでもないが、那須川天心の圧勝。1~2RでKO勝利が濃厚だ。そもそも勝敗予想をすること事態、那須川に失礼な程差があると言わざる得ない。

皇治は打たれ強さに定評があるが、過去皇治が戦ってきた選手は「真っ直ぐな攻撃」をしてくる選手が多かった。視覚に入る攻撃をしてくる選手で、こういう選手の攻撃に精神的に強い選手は「相当体格差があった」や中重量級の選手の試合でもなければ耐えられたりする。正直、武尊と大岩は会場の雰囲気に呑まれ、皇治の戦いに付き合わされた感もあったが、那須川に関してはそれは考えにくい。

そして、実際皇治は武尊戦でテンカオの膝蹴りと見せかけての右フックでダウンしていた。所謂”見えなかった攻撃”だ。那須川は武尊と比較し、さらに死角からの見えない攻撃のレパートリーが凄い。

「皇治が打たれ強いから天心の攻撃には耐えられるか?」と言う視点でこの試合を見るファンも多いだろうが、今回に関しては、そんな事で議論するレベルではないだろう。


2.それでも皇治が勝つ方法。


実際に皇治が那須川に勝ってる点、それは、フィジカルだ。

両者の試合を比較して皇治が勝つには、

①1R開始早々に一気に距離を詰め、コーナーまたはロープ際にフィジカルで追い詰め、玉砕覚悟の相打ちでごちゃごちゃの展開に持っていく。早期決着作戦だ。

皇治が『開始30秒に注目して』と言っていたのは、まさに⇧これなのではと推測する。正直これしかないと思うのだ。

後は、②那須川の自身の攻撃により手または足を痛めて自滅。

⇧この2つのどちらかしか私には皇治が勝てる内容は思い付かないのだ。。。

正直この試合は、皇治のベスト体重60~61kg契約で試合したとしても、那須川の圧勝を予想する。それぐらい差があるように見える。


3.天心皇治で可視化される日本国内のキックとMMAの問題点と課題


正直ね、私は差がありすぎると思うのですよ。勿論勝負の世界なので絶対はないですよ。もしかしたら皇治が奇跡を起こすかもしれない可能性だって1%くらいかもしれませんがあるかもしれない。そこは否定出来ません。

しかし、数日前ボクシング世界チャンピオンの京口紘斗と同じくボクサーの赤穂亮がこの試合について「8回戦ボクサーがいきなり世界チャンプに挑むようなもん」と語っていた↓

まさにその通りだし、『ボクシングやUFCだったらありえないでしょ』ともかたっていましたが、ここが日本のキックボクシング界と日本のMMAが抱える日本格闘技界の問題点でもあり、逆に別の角度から見れば魅力でもあるのかなと。


日本の格闘技界が抱える構造上の問題なのですよね

RIZINは「地上波ありきの舞台」これは紛れもない事実なのです。

新生K-1に関しても地上波に頼らない独自の路線で着実に成長してますが、まだまだ選手層は浅く、大会の規模も小さく、結局皇治のような”数字を持ってる選手”に頼らざる得ない状況でした。

要は、利益先行。視聴率獲得先行。集客の売り上げ先行。になっちゃうわけなのですよ。どうしても。

そうなってくると、やはりどうしても、いきなり天心皇治をいきなり組まざる得ないわけです。まぁ私は「皇治をRIZINで輝かす最もベターな方法は?」の要点で考えると、今回のいきなり天心戦は正解だと思うし『しょっぱなから天心皇治組むしかないでしょ?』と言うのが本音です。

ただ、そうせざる得ないのが問題点なのですけどね。良くも悪くもです。

皇治と言うスター選手は、こういう日本格闘技界の構造上の問題点から生まれた、スターになれた選手なのだろうなと最近強く感じるのです。これも良くも悪くもです。新生K-1もまだまだ規模は小さいからこういう選手を重宝するしかない。それはそれで団体を成長させるには正しい選択なのです。


ただ、1つ言える事は”団体の利益を生むための金の成る木の守られていたスター選手が、実力も本物のスター選手と戦ったらどうなるか?”が可視化される試合になる。

そこだけは断言して今回は占めようと思います。色んな意味で目を覚ますファン多いでしょうね。試合の後。



by 不滅の鉄人







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