選手との関係性


前回のnoteから数か月間が空いてしまった。あれからいくつもの講習を受ける機会があった。その中でも今回はJBAコーチカンファレンスDAY1(オンラインにて事後視聴)での内容について触れたい。視聴してから少し時間が経ってしまったが、改めて学びを整理した。※同時通訳をメモしたため内容に多少ずれがある可能性についてご了承ください。

本年度のJBAコーチカンファレンスのテーマは「チームビルディング」だった。日本代表男子HCであるTom Hovasse氏とドイツ代表男子HCであるGordon Herbert氏からチームビルディングに関して話を聴いた。

二人の話の中で共通していた内容があった。それは「関係性」についてだ。

Gordon Herbert氏
ナショナルチームにおいて大切なこととして最初に「選手たちと関係性をつくること」を挙げていた。合宿開始前から関係性を築くことを始めていて、信頼と尊重が大事だと。関係性をつくることは、選手のことを気にしているから始まる、とのことだ。

Tom Hovasse氏
関係性の構築に関してコーチとしての仕事の中でずっと行ってきている。チームは家族だと思っている。家族の考え方や何をしているか理解したいと思っている。(中略)互いの関係性は中立であって、互いに最善を尽くすことが求められる。やらなくてはいけないことというより自然にやっていること。

関係性とは?

同時通訳の方が関係性と訳していただけで、二人ともrelationshipという言葉を使っていた。「relationship」について調べると以下の通りだ。
関係、関連、親密な関係
「relationship」が名詞として使われる場合、二つ以上の事物や人々の間のつながりや相互作用を指す。また、特に人々の間の親密な結びつきを意味することもある。(参考:Weblio実用英語辞典
通訳としては「関係性」という言葉になっていたがそれだけを意味していたとは思えない。ここで二人が話していたのは人々の間の親密な結びつきを意味して使っていたのではないかと思う。よってこれは「信頼関係」という風に訳した方がしっくりくる。

私も、選手との信頼関係を築くことは何よりも大事だと思っている。
過去、信頼関係を築く前に選手の良くないプレーの指摘をしたり、その伝え方が良くなかったりして選手から反発を得たことがあった。そのとき、選手との信頼関係が十分でないことを理解していなかったためだ。

Gordon Herbert氏であれば合宿開始前から丁寧に積み上げること、Tom Hovasse氏であればやらなくてはいけないことというレベルの話ではなく、信頼関係を積み上げていくことがコーチとしてのスタンダードだという意識を大事にしている。国を背負って世界と戦う代表監督の肩書をもつ彼らでさえ、信頼関係について全く軽視していないことが伺えた。
それならば、彼らほどの経歴も実績も全くもってないコーチである私がそれを大切にしないわけにはいかない。チームと家族であるためには経歴や実績だけでは足りない。(無論、経歴や実績がある人の方がそうでない人よりも説得力はあるだろう。だが、信頼関係がなければ経歴や実績も無に帰してしまう。)

特に、Tom Hovasse氏が話したように、チームを家族のように思って接していくことを、今後の活動において心に留めておきたい。
そして競技知識・コーチング等もアップデートしていきながら家族のために実践を積み重ね、選手の競技力を上げていきたい。

今回はこんな話です。
ここまで読んでくださりありがとうございました!

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