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終末の麻雀譚

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この荒廃した世界でも麻雀は生き残ることが出来るのか──
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2022年9月の記事一覧

終末の麻雀譚15

終末の麻雀譚15

荒廃した世界で麻雀と出会った少年少女。
上達を目指しただひたすらに打ち続ける。

第18話

「なぁ、俺らって上手くなってんのかな?」
コジローが皆に問う。

「もちろんなってるとは思うが、おっさんの求めるレベルってどんなもんなんだろうな?」
ムサシが答える。

モーさん(仮)こと髭のおっさんがここを去って2週間ほどが過ぎていた。
そのモーさんが「麻雀がある程度まで上達すればサンシティーに連れて行

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終末の麻雀譚14

終末の麻雀譚14

荒廃した世界で麻雀と出会った少年少女。
麻雀は再びこの世界に根付くのか。

第17話

「役満っていつ出るんだろうな。」
ムサシがふと呟いた。

「確かにねー。まだテンパイにすらなったことないや。」
正直トムはあまり意識したことがなかった。

「俺は白と發はよく来るんだけどな。中がなかなか来ないのよ。」
コジローらしい意見だ。

「さすが最高役ってとこね。誰が一番最初にアガるかな。」
シェリーのこ

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終末の麻雀譚13

終末の麻雀譚13

荒廃した世界で麻雀と出会った少年少女。
今日も今日とて麻雀だ。

第16話

「あれから本当にアガれなくなったな。」
ムサシがコジローに話しかける。

「まぁなー。でもやっぱ高いテンパイが入るとワクワクするよな。結局アガれなくて悔しいんだけど。」
コジローは今の打ち方を気に入ってるようだ。

「でも手役の見逃しみたいなのは減ったね、みんな。」
トムが口を開いた。

「もちろん全部は追えないし、裏目

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終末の麻雀譚12

終末の麻雀譚12

荒廃した世界で麻雀に出会った少年少女。
少しずつ考え方やスタイルに差が現れ始めた──

第15話

この日もコジローはリーチを打ちまくり、アガリを重ねていた。

「ちょっと待った!」

またコジローがアガった瞬間、トムが場を止めた。

「なんだよ。俺のアガリはもう見飽きたか?」

「それはそうなんだけど、これさ、さすがにもったいないよね。」

コジローのアガリ形はこうだった。

一二三五五七八九1

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終末の麻雀譚11

終末の麻雀譚11

荒廃した世界で麻雀に出会った少年少女。
まだまだ初心者。打ちまくるだけであった。

第14話

「今日はこんぐらいにしとくか。」

モーさんが去って3日目の夕方。

ムサシの言葉でみんな片付け始めた。

「さて、今日思ったことあるか?」

自然と暗くなり始めると麻雀をやめ、その日思ったこと、考えたことを話し合うようになっていた。

「コジローは待ちの悪いリーチが多いよね。」
トムが指摘した。

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