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終末の麻雀譚

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この荒廃した世界でも麻雀は生き残ることが出来るのか──
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2022年8月の記事一覧

終末の麻雀譚10

終末の麻雀譚10

荒廃した世界で麻雀と出会った少年少女。
運命の夜を越え、彼らの麻雀道へようやくその一歩を踏み出す──

これまでのあらすじ

21XX年。人類が文明を失った世界。
主人公のムサシは(自分の周りの)世界に活力を取り戻したいという想いがあった。そして偶然麻雀牌を見つける。初めて見たその立方体に一瞬で心奪われ、老人から得た情報を元に、相棒のコジローと共に麻雀というものを模索する。
麻雀牌を使ったゲームを

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終末の麻雀譚9

終末の麻雀譚9

荒廃した世界で麻雀に出会った少年少女。
決意の夜は更けてゆく──

第12話

「さて、鳴きについて教えたことで説明できる役が増えました。」
髭は仕切り直すように丁寧にしゃべり始めた。

「まず嶺上開花(リンシャンカイホウ)。これはさっき説明した、カンしてからの嶺上牌でツモアガることだ。」

「そんな特典もあるのか。やっぱりカンは魅力的だな~」
コジローは目を輝かせている。

「でも多分だけど、そ

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終末の麻雀譚8

終末の麻雀譚8

荒廃した世界で麻雀と出会った少年少女。
上達への道はまだまだこれから──

第11話

「思わないか?それ要らないんだったら俺にくれよ!って」

おっさんは『鳴き』について教え始めた。

「他人が捨てたものをもらう行為を『鳴き』と言う。『仕掛け』と言ったり『喰う』と言ったり、使い分けもするがとりあえず『鳴き』でいこう。」

・麻雀は一つの行為や名称にいくつも呼び方があるから初心者には非常に困る。も

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終末の麻雀譚7

終末の麻雀譚7

荒廃した世界で麻雀と出会った少年少女。
果たして麻雀王になれるのか───

第10話

一同は盲牌の魅力に取り憑かれながらも役の説明の続きを聞いていた。

「…以上で役の説明を終わる。」

全ての役の説明が終わる頃には、辺りは薄暗くなってきていた。全ての役において質問しながら細かく聞いていたんだから当然か。

「もうこんな時間か。この際今日はここに泊まるから聞いておきたいことは聞いておけよ。まぁと

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