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子供の問題行動を減らす方法〜外在化を活用しよう〜


子供の問題行動を減らすために必要な外在化とは?

外在化とは、心の問題点などを外側から捉えるようにすることであり、
心理療法で用いられる技法です。

外在化と内在化の違い

内在化

内在化の例

内在化とは、問題の原因を個人に求めます。
お互いに問題点や欠陥などを求め合い、それが原因で自尊心の低下や責任感を抱えてしまうリスクがあります。

外在化

外在化の例

問題となる本人や他人から問題点を切り離し、その外側に位置させます。
そして、問題への対処方法を考えたり、皆で協力して問題解決を行うアプローチです。


子供の問題行動から、外在化の方法を解説


私の職場で起きた事例をもとに、外在化の実践を解説していきます。

Aくんの事例

Aくんは、集団活動には必ず参加してくれる4年生の男の子です。

勝ち負けにこだわる傾向があり、対戦型のゲームでは負けてしまうとその場にある棚や壁を蹴って泣きながら大声を出してしまいます。

時には、職員にクールダウンの為、別室に連れていかされる事もありました。

職員の話し合いで挙がった内容

職員の会議では、Aくんの話し合いになりました。

最初は、足で壁や棚を蹴る事を問題点と挙げ、その行為をどうやって止めるかが話し合いの話題となっていました。

しかし、その問題点を一旦外側に取り除き(外在化)、

  • どうしてそのような事が起こるのか?

  • それは本当に問題行動なのか?

など、冷静に考え直す事が出来ました。

その後の話し合いの中では以下の内容が挙げられました。

「それでも必ず活動に参加してくれているから素晴らしい事だと思う」
「悔しいと思える事は真剣に取り組んでくれている事だよね」
「達成感を感じる事が出来たらAくんは最後まで怒らないで参加できるかもしれない」

もしかしたらこの話し合いの中で、蹴る事が問題点として挙げられ、結果的に「蹴りを止める」事が問題となれば全てはAくんの責任になっていたかもしれません。

しかし、「足で壁や物を蹴る」問題点を外在化する事で、Aくんの良い所や本当の気持ちなどが理解できるようになりました。

現在のAくんは以前よりも活動中に蹴って泣く行為は減りました。

今でも元気に活動に参加する事が出来ています。

おわりに

問題点を外在化する事により、今まで気付けなかった部分が見えてくるのではないでしょうか。

何か悩み事があれば、一旦外に切り離し、その問題点をゆっくり眺めてみるのもいいかもしれません。






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