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映画「さかなのこ」ネタバレあり感想 #さかなのこ

のんさん、第46回日本アカデミー賞の優秀主演女優賞の受賞おめでとうございます!!

これを祝して、下書きのまま埋もれていたブログ記事を完成させて公開することにしました。

映画「さかなのこ」の予告を観て、気にはなっていたのですが自宅から一番近いシネコンでは上映されてないと知って、「まあ、いいか」とスルーしかけたところ、 twitterで「予想外によい。怪作だ」という声を聞き、ちょっと足を伸ばして観に行くことにしました。結果は大満足でした!

観てからしばらく経つのですが、ずっと反芻しています。他の人の感想が気になってtwitter の #さかなのこ のハッシュタグで追いかけてます。
小さいお子さんから大人まで、それぞれ楽しめる作品になっていますね。

以降はネタバレ全開ですので、ぜひ鑑賞後に読んでください。

公式サイト


私のツイート

 

2回目鑑賞

ギョギョおじさんとハコフグの帽子

びっくりしたのは原作者であるさかなクンご本人が登場し、しかもそれが近所の魚好きのおじさんで、周りの人からは不審者の扱いを受けているという不遇な役。お金持ちだったのだけど、就職に失敗して無職だと言う。
さかなクンのトレードマークのハコフグの帽子をかぶっての登場なので、誰がみても「アンラッキーだった世界線でのありえたかもしれないさかなクン」であるとひと目で想像することができる。
そして、そのハコフグの帽子はミー坊へと託されます。
この演出はすごいですね。たぶん大人だけが理解できるピリリとしたスパイス。いや、自分からすると「好きなことだけをやっても成功しなかったらこうなるぞ」という刃物を突きつけられた緊張感がありました。

全力が認めてもらえない悲しみ

この作品は、年齢性別問わず楽しめるようになっています。刺さるところは人それぞれだと思います。
私が刺さったのは、歯科医のアクアリウムの件です。
ミー坊が初めてもらった自分の知識を活かせる仕事。張り切って張り切って取り組んで、途中、おばあさんに「あれは人の子やない。さかなのこや!」と言わしめるほどにミー坊のお魚パワーがマックスまで高まっている状態での作品でした。しかし、残念ながら認めてもらえませんでした。あれはギョギョおじさんや、ミー坊があこがれる水産大学の先生だったら絶賛してもらえた内容だったと思うけど、超絶すぎて一般の人の理解を超えていました。
「グッピーみたいなのが良かったんだけど」
ああ、ミー坊が最初に書いていた設計図ではグッピーを中心に考えていました。最初のやつでよかったんかい!!
これは「顧客の目線に立てず、自分の趣味に走ってしまった」という若い技術者にありがちな失敗だったと思います。自分にも心当たりがたくさんあります。グサグサと刺さる …
幸いにも依頼者である歯科医は「思ってたのと違うから金は払わない!」ということではなく、お金を払ってくれたうえに魚を返してくれました。いい人。ペットショップの店長には損害がなかった。
店長は「まあ、魚を飾り物としてしか見ない人もいるからね」と慰めてくれます。でもミー坊はこのとき人生最大の挫折感を味わったはず。このシーンではミー坊の表情は一切映さないんですよね。わかる人にはわかるというニクイ演出。

ラストシーンへの流れの爽快さ

水族館で魚を興味深そうにながめる女の子。その子が持っている赤い水筒に見覚えがある!と思ったらその子はモモコの娘が成長した小学生でした。
モモコが売店で買ってきた魚のムック本を娘に差し出す。
このシーンはミー坊がお母さんから魚の図鑑を買ってもらったのとシンクロしてます。
そして、その魚のムック本の表紙にはミー坊の写真が!
そう、これはミー坊が作った本でした。魚の知識で成功したミー坊。
そういえば、この子はミー坊の家で魚の絵を描いていました。
次の世代のさなかクンの誕生を期待させてくれます。

ハコフグの帽子をかぶったミー坊が小学校の近くを通りかかると、小学生達が駆け寄ってきます。
これはギョギョおじさんが小学生から避けられていたのとは真逆。大逆転勝利!
そのまま小学生を引き連れて走っていく姿は映画「ロッキー2」の場面のオマージュですね。
港の岸壁からそのまま海にドボンと飛び込むと一匹の魚の姿に変わってしまう。美しすぎる。
そして、エンドロールとともにこの楽曲。この流れ、最高でした!!

さかなクンの原作が気になった方はぜひ。
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