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夏の終わり

 南伊豆の子浦で行った実習が終了し、遅い夏休みがやってきました

とは言え、中1日で業務の徳島・高知の出張があったので気持ちの上でわってことです
徳島・高知では東海大学の後援会や同窓会の皆様に歓迎していただき、徳島は30年ぶり高知は14年ぶりに行き、当時調査や研究だけでしか時間を取ることができず、知ることができなかった地域の特色と人の魅力に触れることができました

戻った翌日は、再び南伊豆へニール号の調査に学用船の北斗に乗ってゆきました
今回の調査の主な目的は、水深37m付近の左舷後方甲板の1対のボラード周辺を金属探知機を使って反応をみました
半径10mほどのサークルサーチでしたが、金属反応はありませんでした
この水深は、無限圧潜水の範囲内では12分程度しか滞在ができないため、この範囲でしか調査ができません
もちろん減圧を予定して加速減圧すれば、もう少し在底時間を多くして範囲を拡大できますが、今回は次回以降の調査計画の方針を考案するためのトライアルなので十分な成果を得ることができたと考えます

そして次は卒業研究に向けた予備調査となるわけですが、県から特別採捕許可がおりたものの、継続する高水温で研究対象としていたトゲトサカが周知の範囲内に無くなってしまいました
調査時間を考慮して、10m以浅にターゲットを絞っていたのが、かえって仇になってしまいました
もう少し水深を深くして、既知の範囲から捜索範囲を広げてみます
これまでも台風などの時化によって、砂地の斜面にあったトゲトサカが地滑りや埋没するなどの被害を受けたことがありますが、高水温(だと思っています)によって溶けて全滅したことはありませんでした
今年は、新たに加入したトゲトサカが多かったので期待をしていたのですが、既知の個体が全て消失するとは思いませんでした
南方の生物が住みやすくなる環境も悪くはありませんが、それまで当たり前だった景色が見られなくなるのも寂しいです
南伊豆では、キクメイシやミドリイシのほぼ9割が白化している状況です
水温が下がれば、褐虫藻が戻ってくると思いますが、この高水温がどこまで続くかが鍵となるに違いません
朝夕の風は涼しさを帯びてきましたが、この子たちを苦しめている夏の余波は、まだつづきそうです

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