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山里村5ヵ年計画 5

 「健康で文化的な生活を営める山里村」の5ヵ年計画、最後の課題「⑤ 教育費・学費の全面無料化」について、今日はお話しいたします。

 まずは村立の小・中学校については、これまでも学費は取っておりませんし、教科書も無料です。ただ、ですからといって教育費が無料になっているわけではありません。さまざまな学用品や給食費、行事のたびの負担金などは保護者のみなさまにご負担をおかけしています。まず、それらの負担金を0にいたします。現在のところ、わが村の児童数は多くありません。これらについては現状の村予算の中での支出が可能です。

 教育は未来を作る仕事です。ですから、私は教育が無料であればこと足れりとは思っていません。無料であるだけではなく、教育が「未来を作る仕事」であることを、みなさまとともに考え、試行していきたいと考えています。

 現代の教育は、優秀な労働者を効率的に作る機関として設計されています。それは富国強兵を、経済大国を目指してきた歴史を考えるといたしかたのない側面があります。

 しかし、すでに私たちが望む未来は、そのようなものではありません。学歴偏重の世界を再生産し、格差をもって幸福の基準とするような社会を強固にする今のシステムに共感することはできません。私たちは、私たちの未来を、私たちの手で作りたい。

 もちろん教育は国家の設計上に作られたシステムですから、そこから全く外れた道を行くことはできません。定められた教育課程を踏襲し、俗に言う学力を身につけさせることをおろそかにはできません。現行の教育課程や内容には、確かにすぐれた部分も多くありますし、私も学力不要を唱えるわけではありません。学力は大切ですが、それを一人ひとりの児童に、自分をコーディネートする力、つまり「異なる要素、要因を調和させて、全体としてのバランスや統一感を生み出す」力を育てたい。それが私たちの「未来を作るため」に必要な力だと考えるからです。

 そのためには、まず小・中学校に関わる先生方の数を倍にし、クラス定員を20名までとします。教育管理職をなくし、校長先生や教頭先生にもクラスを持っていただきます。このことは校長先生、教頭先生にも既にお話ししています。みなさん、大喜びでした。あれもやりたい、これもやりたいとたくさんの夢を語ってくれました。どうやって行政の縛りをすり抜けるかの作戦会議も進行中です。さらには年間を通した教育実習生制度も近隣の大学と検討しています。

 また学校をフォローする制度として、教育補助、教育環境補助のシステムを作り、村民のみなさまにも教育に参加していただく予定です。教育補助としての授業参加や、環境整備のお手伝い、学校行事の企画や運営など、学校運営にはたくさんの手が必要です。これらを学校とPTAだけでやるのは無理。すべての村民のみなさまに、私たちの未来を作るプロジェクトに参加していただきたい。

 これは「ちょこっとボランティア」(ちょこボラ)として、村民ネットワーク上に手助けの必要な事柄を提示し、参加可能な人が予約して参加する形を取りたいと考えています。年配の方にも、幼稚園生や小学生にもできる仕事があります。「ちょこボラ」に参加してくださった方には、1時間あたり500円相当の報酬(ちょこボラ券)を発行します。このちょこボラ券が村内を有機的につなげるものとなるはずです。

 さて、ここまでは大きく教育環境の話です。ここからは肝心な点である教育内容、教育目的のお話をしたいと考えています。

 次回は、そのお話しをいたします。

 

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