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オーガニックライフスタイルEXPO2020

 オーガニックライフスタイルEXPOに参加させて頂き、直接消費者の方々と話ができ大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。

 消費者の方々と話をしていて非常に多くの質問を頂きました。
 質問の一部を公開させて頂き、来場出来なかった方々とも情報を共有出来ればと思います。
多かった質問の内容です。
1.オーガニックビーフってどんな牛肉?
2.オーガニックビーフは美味しいの?
3.オーガニックビーフは安全なの?
4.オーガニックビーフの値段はいくら?
5.オーガニックビーフはどこで食べれるの?どこで買えるの?

上記5個の質問が非常に多かったので、ここでこれらの質問を頂いて思ったことや、どのようなことなのかを説明したいと思います。
※これは北海道オーガニックビーフ振興協議会(通称HOBA)の意見ではなく、あくまでも私個人の意見や価値観が多く含まれていますので、「ここ間違ってるよ」ということがあれば、是非教えてください。私もオーガニックに関わり間もないので間違った見識があるかもしれません。

1. オーガニックビーフってどんな牛肉?
 第一声が「オーガニックビーフって何?」と多くの方が言われていました。あぁ、まだまだ発信が足りないんだなと、やっぱりまずは認知してもらうことが大事だなぁと強く感じました。
オーガニックビーフってどんな牛肉か?ここでは「有機JAS認証」が云々とういうような硬い話は少し置いておいて、こんなところが一般的な肥育農家さんと違いますよということを説明します。もちろん「有機JAS認証」をとっていない方でも同じようなことをしている農家さんはいると思います。

(1)粗飼料(牧草やコーンサイレージ)を乾物(水分を抜き乾燥させた状態)で50%以上食べさせなくてはいけません。
一般的な肥育農家さんから見ると、考えられないくらい多い量だと思います。
(2)飼料全体の乾物の85%以上が有機飼料でなければなりません。
もちろん100%有機飼料が理想です。しかし、牛さんの成長過程で欠かせない栄養素がどうしても有機飼料では賄えないときなどに、非有機飼料を給与して健康的に成長してもらうために使用を許されています。非有機飼料であっても遺伝子組み換え飼料や化学的に何らかの処理をされているような飼料は給与出来ません。
(3)牛舎から牛さんが外に出たい時に出られるようにしておくこと。
これは外に出さなければいけないというわけではないです。牛さんも暑い時や雨が酷い時など外に出たくない時もあります。牛さんが自由に選択出来るようにしてあげることが大切だと思います。
 あと、「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」ですと、場所が釧路市で冬は非常に寒く-20℃以下になることもあります。牧草地や土は凍ってしまいます。そんなときは滑ってケガをしてしまうなどの可能性がありますので、外にはあえて出してはいません。
(4)抗生物質などを病気の予防目的などで使用しない。
これは非常にするどい質問をしてくれた方が見えました。「抗生物質は使用していませんか?」と聞かれたので「はい」と答えたら即座に「病気になっても?」と聞かれました。あぁ良い質問される方だなぁと感心しました。
 これは病気になったときには、ほったらかしにして置くほうが牛さん、家畜に対して苦痛を与えてしまいますので、病気の治療のためには使用しています。
今のところ、ほとんど使用する機会はありませんが。
そのかわり、使用した際には通常の2倍の休薬期間を設けています。

最後に有機畜産の生産の目的は、農業の自然循環機能の維持増進を図ることです。
生産の方法として、
①環境への負荷をできる限り低減して生産された飼料を給与することを基本とする。
②動物用医薬品の使用を避けることを基本とする。
③動物の生理学的及び行動学的要求に配慮して飼養する。
 これは、他の農家様も当然大きく寄与していますし、行っていることです。しかし、その中で有機畜産では基準を作り第三者の方に認証してもらいましょうということです。

ざっくりですが、これが「オーガニックビーフ」のルールです。

2.オーガニックビーフは美味しいの?
これは正直、非常に難しい質問です。なぜかというとそれぞれの方の好みですので一概にいうことが出来ないことが多いです。

 オーガニックビーフだからこういうお肉とかではなく、農家さんごとにそれぞれ個性のあるお肉を生産しています。「オーガニックビーフが」というよりもこの農家さんのお肉が好きとか、この料理のときにはこの農家さんのお肉を使いたいとかではないかなと思います。
 そこで、非常に大事なことは、このように色々なお肉があり、選べることが出来る、選択肢がたくさんあることが良いことで食が豊かであることではないかと思います。
 これは当然オーガニックビーフに限らず、黒毛和種でも交雑種でも、輸入牛肉であっても同じだと思います。
 オーガニックビーフの3農家ですと、品種や飼料が違います。北里大学さんの「有機北里八雲牛」ですと日本短角種や日本短角種とサレール種のF1のグラスフェッド(牧草のみで育てた牛さん)。駒谷牧場さんの「ジビーフ」はアンガス種でグラスフェッド、榛澤牧場さんで私たちが取り組んでいる「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」もアンガス種で、餌は牧草と国内の未利用資源などを餌として給与しています(詳しくはhttps://organic-beef.jp/)。
 このように品種や餌、育て方でも味は変わってきます。それぞれの方の好みやシーンに合うお肉が見つかると食事がよりいっそう楽しくなると思います。
 私は3種類のオーガニックビーフを食べたことがありますが(駒谷牧場さんのお肉は本当に少しですが・・・しっかり食べてみたいので駒谷牧場の西川さん見てたらお願いします)、どれも美味しかったです。しかし、やっぱり自分が関わっているお肉ということで、美味しさは3割増しになるので「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」が一番です(笑)こんな理由からでも美味しさの差が出てくるんだと思います。特に生産者さんを知っていれば美味しさが増すかもしれません。私は増します。

3.オーガニックビーフは安全なの?
 この質問に対しては、私は「安全です。しかし、他のお肉もすべて安全ですよ」と答えます。有機だからとかではなく、一般的な肥育方法であっても「安全」です。

 しかし、これも当然個人差があり、このお肉を食べると調子悪いけどこのお肉なら調子が良いという方がいます。
 もっと言えば、小麦アレルギーのある方は小麦は安全ではありません。しかし、私のようにアレルギーのない人にとっては安全な食べ物と言えます。このように安全もそれぞれの方により変わる場合があります。
 よって、先ほども書きましたが、ここでもやっぱりそれぞれの方に合うお肉を選ぶことが出来ることが大事だと思います。選ぼうと思っても存在しなければ選ぶことが出来ません。
 例えば、国産のオーガニックビーフが欲しいと思っても、国内での生産がなければ当然海外からの輸入に頼るしかありません(海外のものがダメだということでなないですよ)。欲しいものを手にすることが出来る豊かさは大切だと思います。

4.オーガニックビーフの値段はいくら?

 オーガニックビーフの生産者は3農家あります。北里大学さんと駒谷牧場さんの価格は正直私には分かりません。購入先が生協さんであったり、レストランであったりして私が直接購入したことがないからです。すいません。
 ただ、「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」は私が販売させて頂いていますので分かります。こちらで販売しています(https://organic-beef.stores.jp/)。誰でも購入出来ます。見るだけでも構いませんのでお願いします。
 価格は高いと感じる方もいると思いまし、許容してくれる方もいると思います。価値というものは牛肉であればその味やどのようなお肉かということと価格で決まると思います。この価格に見合った牛肉を今後生産し、消費者の方々が受け入れて頂けるようにしていきたいと思います。

5.オーガニックビーフはどこで食べれるの?どこで買えるの?

 先ほども少し書きましたが北里大学さんと駒谷牧場さんは、現在では生協さんやレストランで食べられると思います。ごめんなさい、すべてを把握していません。
 「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」はネットにて購入出来ます(https://organic-beef.stores.jp/)。

 オーガニックビーフや黒毛和種、交雑種、ホルスタインいろいろな選択肢があり、いろいろなお肉の味が楽しめるように少しでも畜産業界や牛肉業界に貢献出来たらと思っています。
 これからも少しでも情報発信をしていきたいと思います。質問等あればいつでも受け付けています。

 牛肉のことばかりを考えていたら、いろんなお肉の食べ比べをしたくなってきましたので、このあたりで終わりにします。

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