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安倍政権の終焉と、これからの未来に向けて

「自分のことだけを考えるんじゃなくて、みんなのことを考えた方が良い」の"みんな"を、国までしかイメージ出来ない人と、世界全体までイメージ出来る人がいる。

「恐らくほとんどの人は国までしかイメージ出来ないので、結局は国家主義的規範でまとまるしかないのだ」という人を見下したある種の諦観に20代の僕は囚われていた。

「どんなに素晴らしい理想だろうと、『バカの壁』に阻まれてしまうのならその『バカの壁』の内側で最大限の共助を行うしかないのではない」かと。

それが間違いだと思い知らされたのが、この8年間だった。

首相がコロコロと交代するのにはうんざりだった。誰でもいいから長く続けてくれと思っていた。

政治が人の行いである以上は理想を叶えられないのは当然であり、出来ることは限られている。政治の役目とは出来もしないことを約束するのではなく、限られた出来ることをやりながらうまく国民を納得させることだと思っていた。

民主主義や自由主義という普遍的価値観は国家の中である程度維持しつつ、国家の利益を最大化する政策を推進すべきだと思っていた。

まさか民主主義や自由主義が風前の灯火となるような、「緊急事態条項」を含む、時代に逆行するような「改憲」が目の前に迫り、民主的手続きを無視した強権的な政権運営や国家の根幹に関わる統計や公文書が偽造・隠蔽されるような時代になるとは全く思っていなかった。

そして思い知った。

民主主義や自由主義、人権や平等というものは人々の理想に支えられていて、その理想を失えば簡単に崩れ去ってしまうものなのだと。

「便所の落書き」と揶揄された匿名掲示板のような内容が大手を振って書店に並び、堂々と差別を口にしたり隣国を貶して「愛国的」なことを言う人たちがあふれた先にまともな未来など訪れるはずがないんだ。

まともな理想に向かっていくから以前よりも良くなった現実を手に入れることができる。

「日本スゴイ」という集団幻想に浸って、韓国や中国の経済や技術や文化の発展に気付きもしないし学ぼうともしない。歴史を書き換え、科学に蓋をすることで体面だけ繕おうとする無様な国の姿を見るにつけ、理想の大切さを想う。

環境問題のような喫緊かつ世界各国の協調が必要な問題ですら、歴史修正主義と同じ手法で事実を否定すれば無かったことになると思っている人々であふれるようになった。

理想を追い続けなければ現実は腐るばかりだ。この8年間政治は腐敗し続けてきた。地獄の安倍政権だった。もういい加減みんな分かっただろう。理想を語ろう。理想を求めよう。

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