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いち観客として訪れたE-1サッカー選手権〜釜山での微温的な日韓戦に寄せて

 韓国の釜山で行われたEAFF E-1サッカー選手権。今回は諸事情により、取材者としてではなく、いち観客として12月18日の日韓戦のみを観戦した。当日のレポートは別媒体でも執筆予定だが、本稿では旅日記に近いテイストで、現地での写真とともに振り返ってみたいと思う。

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 釜山の空港には21時に到着。思っていたほど寒くない。中心街までけっこう距離があるので、タクシーではなく地下鉄を利用することにする。相変わらずハングルはまったく読めないので、日本語のアナウンスに底知れぬ安堵感を覚える。

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 メトロの車内で、韓国の「今」を感じさせる光景に出くわしたので、思わず撮影。隣の人にまったく関心を示さず、掌のスマートフォンに熱中するのは、わが国とまったく同じ。そしてこの国でも、外国人の姿が目立って増えている。

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 とはいえ、日本と韓国の風景はやっぱり違う。まずハングルの文字、そして激しい色使い。この写真をご覧いただければ一目瞭然であろう。一見すると同じようで、何かが決定的に違う、韓国の風景。その差異を感じることが、この国を訪れる一番の醍醐味である。

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 釜山最初の夜は、ちょんまげ隊長ツンさんとその仲間たちとサムギョップルをいただきながら、なでしこ優勝の祝勝会。店員が付きっきりで肉を焼いてくれて、しこたま食べて飲んで日本円で2000円弱。思わず「ここは天国ですか?」と叫びそうになる。

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 今回宿泊したのは、いわゆるラブホを改装したもの。2002年のワールドカップ以降、急増する観光客に追いつけず、ラブホから鞍替えした宿泊施設が勧告には多い。ちゃんとした朝食が期待できないので、翌朝は早朝から営業している食堂でお粥をいただく。

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 その日の夜は、E-1男子サッカーの第3戦を観戦すべく、地下鉄で釜山アジアード主競技場へ。第2試合の韓国対日本で、日本が引き分け以上の成績を残すことができれば、3大会ぶりの優勝となる。スタジアム周辺は、韓国名物の屋台が軒を連ねていた。

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 屋台を覗いてみると、これから日韓戦を観戦すると思われる若者たちがおでんをつついている。彼らが頭に付けているのは「レッドデビルズ(韓国代表の愛称)」をモティーフにした光る角。最近の代表戦では必須アイテムとなっているらしい。

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 チケットを購入して、日本代表の試合をスタンド観戦するのは、果たしていつ以来だろうか。カテゴリー2のチケットを3万ウォン(約2800円)で購入。窓口では英語が通じたし、行列もなかったので、まったくストレスを感じることなく入場できた。

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