【メイレビュー】5/16(Mon) カテゴリーに関係なくファンを集める戦略 岡本佳大(福山シティFC代表)〜 #ハフコミ 隔週報 vol.29
みなさん、こんにちは! ハフコミウェビナーの「メイレビュー」を担当している五十嵐メイでです。今回の特別講師には福山シティFC代表の岡本佳大さんをお迎えしました。
福山シティFCは、中国社会人リーグに所属。2020年の天皇杯での快進撃もあり、地域リーグの中では注目度が高いクラブです。その代表である岡本さん、実は私と年齢がそんなに変わらないんです。
今まではクラブ経営者というと、かなり年上の方というイメージでした。同世代のクラブ経営者は、どんなことを考えているのか? 直接お話を聞ける機会を、私は本当に楽しみにしていました!
■平均観戦者数6人から500人へ
福山シティFCの2019年度の平均観戦者数は、わずか6人だったそうです。それが2021年には500人までアップして、今シーズンのホームゲームは2731人のお客さんが入ったそうです。着実にお客さんの数が増えていますよね!
その秘訣はなんなのか? クローズドな環境ということもあり、岡本代表はざっくばらんに細かいことまで教えてくれました。
福山シティFCの選手たちは、街の人たちとのコミュニケーションを積極的に行っているようです。ハフコミを主催する宇都宮徹壱さんも、取材で福山に行った際、飲食店の店員さんと選手が親しげに話す姿を見て、とても驚いたそうです。住んでいる街の人たちからすると、自分の街のクラブの選手が親しみに溢れていたら、カテゴリーに関係なく応援したくなりますよね。
私も中学生の頃、駅前でチラシ配りをしていた塩沢勝吾選手(当時・水戸ホーリーホック所属)のファンサービスが神対応だったので、一生忘れられない選手になった経験があります。そのチラシ配りがきっかけで、今まではTV観戦だけだったサッカーですが、スタジアムに足を運んでみようと思うようになりました。
今はまだファンサービスには制限がありますが、試合後には選手がスタンドまで登ってきて、ファンの皆さんに挨拶しているそうです。応援している側からすると、すごく嬉しいですね。その感動をTwitterでつぶやいてくれる人も多く、SNSでも徐々に広がりを見せていったそうです。
クラブからの発信はもちろん大事ですが、ファンの発信もまた、クラブのファンを増やすツールになっている。そのことを知って、サポーターの私も非常に勉強になりました。これからも「いいね!」と思うクラブの活動は、どんどんつぶやいていこうと思います。
逆にクラブ側も、ファン・サポーターがSNSで発信したくなるような企画を打ち出せれば、広告効果を期待できるかもしれませんね!
■メリハリを徹底したクラブの労働環境
もうひとつ、私が岡本代表の話を聞いていて驚いたのが、福山シティFCの労働環境です。スポーツクラブの労働環境が「過酷」というのは、わりとよく耳にする話。岡本代表は経営者として、その点に関して常に意識されているようです。
具体的には、まず完全週休2日制を徹底。そして、プライベートに仕事を持ち込ませない。そのために経営管理本部を作り、士業の先生を入れて徹底管理を行っているそうです。また、社員には社用携帯を持たせて、退社時には置いて帰るように指示しているとか。地域リーグのクラブなのに、ここまで徹底しているのはすごいなと思いました。
休みの設計も社員自身で行い、「仕事が終わらない」とか「この日しかできない」といった理由で休みを変更するのは、NGにしているそうです。自分が抱えている仕事量と休みのバランスのとり方も、能力として求められるんですね。
プライベートと仕事が混在している業界において、ここまで徹底しているのは珍しいですよね。これは岡本代表自身、ビジネスパーソンだった時の経験に基づく考え方。「仕事は仕事」「遊びは遊び」と、しっかり切り分けた時間がほしかったそうです。
最近、とあるスポーツ業界で働く方の告発文を読んで、労働環境について考える機会があったので、岡本代表の話は印象的でした。地域リーグのクラブがここまでできているのだから、人員不足や資金不足といった言い訳は、通用しなくなる時代がくるのかなと思いました。
福山シティFCはピッチ上だけでなく、経営面でもサッカー界に新しい風を吹き込んでくれるのではないか? そう考えると、今後が楽しみなハーフウェイクラブですよね!
■次回のハフコミは6月13日、気になる特別講師は?
今回もクローズドなコミュニティだからこそ、お話いただける内容が盛りだくさんの2時間でした。当日参加ができない方のためには、アーカイブも残してありますので、これからハフコミの仲間になってくれた方でもご覧いただけます。
次回のハフコミウェビナーは6月13日。最近Jクラブから電撃移籍した、とある女性フロントスタッフの方を特別講師にお招きする予定です。
ぜひ次回の告知もチェックして、気になる特別講師の方と直接お話しする機会を逃さないようにしてくださいね!
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