いまだにボクシングはスポーツの中で別格だ。あのスポーツだけが頭を集中的に叩き合い「死ぬかもしれない」危険を曖昧なまま温存している。わたしたちは自分が死に直面して生の実感を得るのは恐ろしいので、せめて他人が死に直面しながら奮闘している姿を見て緩み切った生の弦を張り直したいのである。

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