「生まれてきてよかった」心からそう言える人生を。

『人生は、楽しいことよりも、辛いことの方が多い。』
それは、私にとって昔から、一度も覆されることのなかったゆるぎない定説。

そこまでして生きることに、一体何の意味があるのかちっともわからなくて、生きるか、生きないか、そのどちらかを自由に選んでいいのであれば、迷わず後者を選びたい。
ずっと、そう思って生きてきた。
すぐにでも生きることをやめたいと思ったことも、一度や二度ではない。


世界はいつも私には、大きすぎて、複雑すぎて。
私ひとりが消えてなくなっても、きっと何事もなかったかように回り続けるのだと思うと、早くこの生きることの辛さから、解放されたかった。

「私は、ここにいなくてもいいんだ。」

その言葉と共にいつもやってくる、自分の手に負えないドロドロした感情が、私は大嫌いで。それが事実なんだと強く思う反面で、どうしてもそんな風にしか思えない自分が、ずっと悲しかった。
そんなことに足をとられることもなく、いつだってポジティブに生きられる人が、軽やかにこの世界と関われる人が、心底羨ましくて、自分はそんな人間じゃないんだと、決めつけていた。

大人になるにつれて、そんな独特の息苦しさのようなものは、ずいぶんとマシになっていったけれど、それでも生きることにどこか消極的な気持ちは、変わらないのを感じていた。
そして、時々どうしても猛烈に襲ってくるドロドロした感情に押しつぶされそうになる日は、昔と変わらず、ひとりで夜空を見ながら大泣きした。


こんな私でも、いつかきっと「生まれてきて本当によかった」って、嬉しくて涙が出るくらい、心の底からそう思えるような日がきたらいいなって、心のどこかで、ずっとそう願っていたんだと思う。


だからこそ、子どもの頃から変わらず、ずっとずっと、探し求めてきたもの。
「夢」=「生きる目的」


それを早く見つけることにとらわれすぎて、ひとりで悩み苦しみ続けた10代。17歳で軽い摂食障害になり、自分の時間を、毎日ゴミ箱に捨ててるような感覚で、生きていた。

「こんな風に生きるくらいなら、誰かのために自分の時間を使った方がよっぽどマシなんじゃないか。」

過酷な環境で生きる人たちのために働く仕事、
それが私にとって初めての「夢」になった。

20代の後半で、人身売買の問題解決に携わる仕事にご縁をいただき、その夢が叶った。初めて手に入れた、大きな「目的」にまっすぐ向かって生きる毎日は、ほんとうに幸せだった。

けれど、全力でその仕事に打ち込みたいと思うほど、やれることがもっとあると思うほど、加減がわからなくなり、バランスが取れなくなった。
意識的に心と体をメンテするようにしても、エネルギーが続かなくなった。

そこでようやく気が付いた。

ほんとうは、誰かのためじゃなくて、
ちゃんと自分のために生きたいんだって。
自分のために、生きてもいいんだって。


そうして、ようやく叶った「夢」を手放すと決めたけれど、次に何がしたいのかも、何をしたらいいのかも、全くわからなかった。
なにひとつ決められないまま、30歳を目前に、全てを捨てて旅にでた。


あれから、あっという間に1年。

5カ国約30都市をめぐり、勉強したり、自然を満喫したり、災害支援をしてみたり。
いろんな土地で、いろんな人に出会い、いろんなことを感じた。

時間だけは腐るほどあったから、これからどんな風に生きようか、どんな仕事をしようか、何度も何度も、たーくさん考えた。
結局どれだけ頭で考えても、なかなかココロがしっくりこなかった。


でも、30年の人生、振り返ってみて思ったのは、とにかく私は、いろんな人との出会いに、人の温かさに、支えられて生きてこれたということ。

ずっと1人じゃどうしようもなかった私の人生の課題に、いろんな形で、一緒に向き合い寄り添ってくれる人も、世の中には少なからずいて、そんな人たちのおかげで、今日も笑っていられるということ。

そんな「感謝のきもち」に包まれる感覚は、
とてもとても幸せだということ。

それがあったから、生きようって思えたし、
ゆるぎなく私の大切にしたいものは、そこにしかないなって。

もしかすると、誰もが「感謝のきもち」でつながり合う世界は、誰もが生まれてきてよかったって思える世界に、つながるのかもしれないなって。

だから、「感謝をつむぎ合う未来を」、私は生きたい。


そんな未来をつくるために、私は、
ほんとうの自分の想いをいつもまっすぐ相手に伝えよう。

それがどんなに難しくても、その先に生まれる温かい絆を、いろんな人と丁寧に育んでいこう。

それが、7代先の未来でも、誰かの笑顔を支えていてほしいと思うから。


『ほんとうの想いをまっすぐ伝え合う社会を育む』

今日で31歳。新たな章の始まり、という感じ。


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