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誰が「クレジットカード会社を経由した表現規制」の主体なのか?

ゆっくりしていってね!

前回記事に書いたクレジットカード会社の問題は多くの人たちが関心を持っているみたいで、たくさんの方から追加情報を頂いたのだわ。

とはいえ、何しろクレジットカード会社とそれを使って決済したい企業との契約のことだから、だいたいにおいて真相は謎。どんな契約にも秘密保持契約はつきものだし、また本件は、私が当初認識していたよりもずっと長く複雑な経緯があって、今の表現規制の加速は「カオス」としか言いようがない状況に陥っている模様。

先に白状しておくと、本記事でも「真に誰がクレジットカード会社を経由して表現規制を推進しているのか?」という問題に答えは出せていないわ。クレジットカード会社がオンラインポルノの決済に関わっていることを非難した団体や個人くらいは紹介するけれど、「そいつらの党派的な思想による」とまでは分からない。可能なのは、今のところ表に出ている情報の整理ね。

確かに実在の児童性虐待記録物や合意のないポルノ(本物の盗撮、リベンジポルノ等)の公開は問題でしょう。このあたりは私ですら「表現の自由」として擁護する気がないわ。

とはいえ、それは現金でも起きている話だし、オレオレ詐欺に対して電話会社が責任を取らなくてもいいように、クレジットカード会社まで追及するもんじゃないとも思っているわ。これは前に述べたのと同じね。


さて。この問題を注視している人たちにとって、一つの大きな事件はPornohubでしょう。プレミアム会員になるための決済手段として、あらゆるクレジットカードが使えなくなり、一時期、暗号通貨による支払いのみとなっていたわ。

――で、前回の記事のあと、ちょっとPornohubを確認してみたのだけど……。

とりあえず無料でアカウントを作成してみると、Pornohub公式ページから早速、「きみ、僕と契約して有料会員になってよ!」というメッセージとともに次の画面が表示されたわ。(つまり、公式サイト的に隠している訳でも何でもない。)

※本記事は当該サービスとの契約は推奨していません。


いやVISAもMastercardも使えるんかい!!(※2024年6月現在)

メッセージを細かく読んでみると、どうやらPornohub関連会社のSpicevids.comとやらに有料会員機能を移して、クレジットカード会社との契約をやり直したみたい。そして、それはなんかOKと。不祥事を起こした某民間軍事会社みたいなことしてるわね……。

前回記事でも述べた通り、Pornohub自体がAV海賊版動画配布サイトみたいになっている面もあるし、また、そういう動画を投稿しているアカウントプロフィールにあるURLをチェックすると、「個人情報が抜き取られるおそれのある危険なサイト」としてセキュリティソフトに自動ブロックされるわ。(皆さんはいちいち試しちゃ駄目よ!)

だから、法的にそれほどクリーンな存在に生まれ変わったというのでもない。

また、KDさんからも前回記事コメントにてご指摘もあったところだけども、「クレジットカード会社を経由した表現規制」は2010年くらいから少しずつあちこちで起きていて、よくわからず契約が停止されては、しばらくして、やっぱりよくわからず契約が再締結されたりしているわ。

ちなみに、KDさんは記事コメントで「2019年に山田太郎議員が問題視していた」例を挙げてくださったのだけど、おそらくこれは2016年に同人誌販売店「とらのあな」がクレジットカード会社との契約を理由に獣姦作品を削除した件や、2018年にメロンブックスが同様に痴漢モノの同人ゲームを削除した件などを受けたものと思われるわ。(といっても、最も直接的には2019年の成人誌のクレカ決済BANかしら?)

こうしたクレジットカード会社等の決済サービスを通した表現規制については、次の記事が時系列に整理されていて分かりやすかったわ。

有料だけど200円だから、みんな買うといいのよ。自分で情報を集めようと思うと実際かなり大変だし。


でも、問題は、いったい誰がどういった理由で、クレジットカード会社を経由した表現規制を推進しているのかよ。

そりゃ確かに、各クレジットカード会社の利用規約には「わいせつ物の取り引きには使わせません!」とか書いてあるわ。だけど、騒ぎになるまでそろって平気でPornohubと契約していたあたり、何ら真面目に守る気はなく、「とりあえず書いておいただけ」としか思えないわよね。

だって、本当に自社の規約が大事なら、なぜ契約前の審査段階で拒否しなかったのかって話でしょ。

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