社会派バラエティー番組にすら垣間見ることのできる「日本らしさ」

テレビ朝日系列で放映された「池上彰と振り返る平成30年」という番組を見ました。高校生のときに平成を迎え、バブル景気の真っ最中に大学生活を送り、社会人として平成不況の荒波を経験してきた者として、平成の30年間での日本の変化には感じる部分も大きく、楽しく番組を見ることができました。

ところで、こんな番組のなかにも、「日本らしさ」を発見することができます。世の中の変化のすべてが、日本国内だけの文脈で語られていたという点です。飛行機の中でも吸えていたタバコが、今や路上や飲食店でもどんどん吸えなくなっている。エコ意識が芽生えてリサイクルするようになった。新幹線がより高速化されて都市と都市の距離が近くなったなどなど。かつては国際線でも吸えていたタバコが敬遠されるのは世界中の傾向だし、欧米の方が日本以上にエコ意識は進んでいるし、日本より後から高速鉄道を導入した各国が日本以上の規模で高速鉄道網を築き上げているにもかかわらず、これらの事例が世界の潮流として語られるわけでもなければ、世界の変化が取り上げられるわけでもないところに、日本人の内向き志向が反映しています。

あたかも日本だけが“世界”であるかのように海外に関心を向けず、世界の潮流も知らないままでいると、日本人は本当に世界から取り残されてしまうのではないかと心配してしまいます。国際社会での文脈の中で日本社会の変化を語る時代は、はたして訪れるのでしょうか?

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