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個を活かす -老舗旅館陣屋の取り組み

鶴巻温泉の元湯陣屋さんにお伺いしてきました。

陣屋さんは、将棋や囲碁のタイトル戦会場としても知られる老舗の高級旅館ですが、それと同時に旅館業界の救世主のような存在でもあります。思い切った設備投資やIT化などで経営危機を乗り越えた後、自社で開発したCRMのシステムを「陣屋コネクト」としてほかの旅館へ提供し、旅館業務の効率化、高度化を支えています。直近では、全国の旅館が無料で情報交換することができる購買システム「宿屋EXPO(ヤドエク)」もローンチしました。

旅館は、そこに泊まること自体が旅の目的となる宿泊施設です。温泉に入り、和室に泊まり、庭を眺め、会席料理を食べる。日本の古き良き伝統文化の詰まった存在でもあります。海外にはない日本独自の形態であるだけに、小規模な家族経営が中心であることからくるハンディキャップを連帯することで乗り越えることができたなら、観光立国日本を支える強力なコンテンツとなることでしょう。

個だからこそできるきめ細かいサービスや差別化。個だからこそ持てる独自の発想やチャレンジ精神。規模ではアメリカや中国に決して勝てない日本にとって、個の強みを活かしていくことこそが、グローバル化の時代を生き残っていくための戦略になります。陣屋さんは、旅館業界において、その基盤を担うことを期待されています。

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