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「うちらはチームだから」で10年楽しい生活が続いてる

この記事は10日間ライティングチャレンジ4日目の記事です。Day1~Day10で国際カップルのあれこれを書いています。
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3か月周期で付き合う相手を変えてきた私が、今の彼と10年ケンカもなく一緒に暮らせている。同棲を開始して学んだ「カップルや夫婦の役割」についての話。

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約1年の交際期間を経て、お互い初めての同棲生活がスタート。
他人とひとつ屋根の下で暮らすことが、どれほど大変なものかと少し緊張した。

ところが想像に反して2人の生活は楽しくて、拍子抜けしてしまった。
むしろ親と暮らすよりはるかに快適で、血縁なんて関係ないんだと思える。

「そりゃ楽しいに決まってんじゃん!恋人と一緒に住みはじめたんだから。でも最初だけだよ」

友人たちの言葉に私もそうだと思った。でも、不思議と同棲生活の時間が経てば経つほど快適度が増している。

ケンカもなく、10年ほどひとつ屋根の下で一緒に暮らせているのはなぜかとよく聞かれるので、考えてみた。

固定観念で決められた役割分担

2人の生活が始まった当初、私は張り切っていた。1人暮らし生活が長かった私は掃除、洗濯、料理…なんでもできたし、自分がやらなくちゃという意識が自然とあった。

それは彼が実家から出てきたばかりで家事はできないだろうという決めつけと、女の自分がやるべきという固定観念のせい。女手一つ私を育ててくれた母が家事をこなす姿を見ていたから、そんな固定観念がうまれたのかもしれない。

...

状況が変わり私の仕事が忙しくなると、できないことが増えていった。おかず3品以上を心がけていた夕飯は徐々に色見を失っていく。部屋のすみのホコリが色濃くなっているのに掃除機をかけることができない。

あー。洗濯しないと明日履く靴下ないなー。

いろんなことができていない自分にがっかりされるんじゃないか。彼から嫌われるのが怖くてとりあえず謝ってみた。

「ごめんね。全然家のことできてなくて。」

彼は驚いた顔で一言。

「え?どうして謝るの?」

これまで彼が何もしてくれなかったわけではない。当番を決めたわけでもないのに毎回皿洗いしてくれるし、気づけばトイレが綺麗になっていることもある。不器用に畳まれた洗濯物を見てクスッと笑ったこともある。

ただ、私の中にある「自分基準」が少し高い設定になっているせいで何もかも全然できていない気になる。

栄養バランスのいいご飯を作りたいし、ホコリも洗濯物も少しでも溜まることは許せない。

そんな私の「自分基準」を知らない彼は、私が何を言っているのか理解できないという表情を浮かべている。彼に説明するため、できていないことをひとつずつ口に出していたら「はあ~~。」と大きなため息が出た。

それを聞いた彼からの一言で急に視界がぼやける。

「そんなに頑張ってくれてたこと気づけなくて、俺の方こそごめんね。ご飯とか作れるようになりたいから今度教えて。」

優しい一言をかけられた瞬間、それまでしっかりと閉じていた涙腺が急に緩んでポタっと一粒の涙が出た。

ヒロシの広島焼き

パスタ、チャーハン、カレーとレパートリーを増やしていく彼(ヒロシ)。カナダにいても日本食が食べたいという私のリクエストに応えようと、クックパッドを眺めている時間が増える。

広島に1年間だけ住んだことがある彼は「食べるのは好きだけど作ったことないんだよねー」と広島焼のレシピを難しい顔で見つめている。

「別になんでもいいよ!簡単に作れるもので」と言い残して私は仕事に出た。

仕事から帰るとすごい光景が広がっていた。

ザ・海外という感じの広々したキッチンが、隙間なくモノで埋め尽くされてる…

んー。写真じゃ伝わらないか。この逆側に広がるキッチンカウンターは粉まみれ、モノまみれ状態

なんだか全力で挑戦してくれた感が出てる。汚れたキッチンを見て、正直ちょっと引いたけどその心の声は、彼には聞こえてない……はず!

出来上がった広島焼が超絶おいしくて、粉まみれの床、コンロに飛び散った野菜の破片、山のような洗い物、全部どうでもよくなった。

カップルってチームだよね

仕事で疲れて帰ってきて、こんな美味しいもの食べれるって、幸せなことだなとしみじみ思う。

付き合った当初よく言っていた彼の口癖を思い出した。

「うちらはチームだからね。」

体育のスポーツ、部活、会社、なんでもいい。チームを作ったことがあれば想像できるだろう。ひとりで達成することの難しさ。

センターを守る人、サイドを守る人、はたまた攻めにはいる人。
それぞれ違う役割があるし、不調な時はベンチで控えていたメンバーが自分のポジションを代わってくれる。

カップルも夫婦もそんな感じだといいよねっていう話。

自分が忙しかったり、疲れていたりしたらパートナーにバトンタッチ。そのときできる人ができる範囲でやったらいい。

家事は女性がやるべきという固定観念を抱いていた自分自身に伝えたい。「もっと気楽にいこうよ」

相手にヘルプを求める。ヒロシが作ってくれる広島焼に感謝する。
そんな風にしてたら10年間も楽しいおふたりライフが続いている。

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