【鍼灸師のひとりごと】どの流派を学ぶと良い?

 鍼灸学校に通ってると、様々な流派の先生にお会いする機会があります。
※学校によってはその機会に恵まれることがない場合もあります。
『自分が好きだと思った流派を学べばいい』
『尊敬する先生についていけばいい』
取り敢えず迷ってる方はこの方針がしっくりきます。専門学校の先生にも言われました。
 免許を取って数年、治療とは何かと悩みはじめると、『答えは患者さんにしかない』という結論に達します。西洋医学、東洋医学の基礎を総動員して、来て下さった患者さんに治療をするのみなのです。
 私は30代で異業種からの転職を目指した組。フリーターからの転職です。
更に私は鍼灸の専門学校に入学するまで鍼灸治療もリラクゼーションも受けたこともない状態でした。東洋医学の知識も漫画で知ってる程度というお粗末なもの。
 卒業後食べていくには指標が欲しい、どの流派が一番治療効果があるんだろう?と考え、勉強会に参加し始めます。お金も限られていたので、取り敢えずステップアップできそうなものを選ぼうと考えてました。
 過去の私は、先生の言われた通りの事だけを一生懸命やるスタイルだったので、お金をかけたのに得たものは少なく、大きな挫折を経験します。鍼灸師を辞めようと思う程に。
 学んだ流派が合っていないのではなく、学ぶ姿勢が間違っていたのです。

 治療にはその人が得ている知識、生きてきた人生、思想が反映されます。さらに治療をする上で不可欠な筋肉、骨格、神経、生理作用、経絡、古典、各々のつながり等…、基礎を得た上で発展させていらっしゃいます。
 持てる武器は多い方が良いので色んな勉強会で学ぶのは良いと思います。好きだと思った流派に所属するのも良いと思います。
 どの先生もスタート地点までの行き先は示して下さいます。ただ、いかにして本質にたどり着くか見つけるのは自分の中にしか答えはありません。
 教えてくれる方の手技、治療法を模倣するにしても、手に伝わる意識、姿勢、身体の使い方、患者さんにあった刺激…同じようにはいきません。これらは自分か今出せる加減を覚え、鍛錬するしか方法はありません。
 勉強会に行くお金がなければ、専門学校の図書館(卒業生も利用できます)、国会図書館で調べられる事が多くあります。交通費がない、家にパソコンがないなら、近くの図書館で取り寄せや、検索にパソコンを使う事ができます。きける先生がいないのなら、ネットや近所の鍼灸院を訪ね、連絡をとってきいてみればよいのです。
 本質にたどり着くのに近道はありません。学び方の効率化の本を読んでも、自分の理解に役立つものではないかもしれません。

 学び方に迷っている方には、ダイヤモンド社さんから出版されている、『独学大全』をオススメします。
 


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