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戦国の魚料理「鯉の陣中漬け」を再現してみた
日本では、農民から天皇まで色々な方がさまざまな場所で魚を食べてきました。古くは戦国時代、合戦の場においても例外ではありません。
今回は、織田・徳川軍と長篠の戦いで激突した武田軍(甲陽軍鑑で有名ですね)は甲斐国に伝わる陣中食(合戦の際に食べる糧食の一種)、「鯉の陣中漬」を再現してみました。
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作り方は簡単です。まず鯉をさばきます。よく揚げた上で、醤油とみりんをベースにしたタレに2, 3日漬けます。引き上げたあと、味噌に1か月ほど漬けて完成です。
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(調理の際は保冷をはじめ衛生面には特に気を使っています。常温調理など、当時と同じ条件で作るとお腹を壊す場合があるので、現代で作る際は気をつけてください)
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食べてみましたが、やっぱり味が濃いです。加えて、鯉の身を強めに揚げたのもあり少しパサついているところもあります(私の調理スキルのせいなのもありますが)。
当時は現代のような冷蔵庫もなく、食物の保存を考えるとどうしても塩分が濃くならざるを得ないのでしょう。そして内陸の甲斐国では淡水魚の鯉を糧食として選ぶことになりこういう味になったのかもしれません。
どうしようかな...というところでふと気づきました。陣中食なのに陣中で食べていないからでは?汗みどろになって合戦を奔り抜いて精も根も尽き果てた。そんな時にこそ食べる魚料理ではないでしょうか。再現しきれていないのは、料理ではなく私の方だったようです。
ただ、これからタイムスリップして当時の合戦に参加するわけにもいきません。そこで、走って体を追い込むことにしました。戸越公園文庫の森の一周約500mコースを40周します。
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合間にダッシュや腕立て伏せをはさみ強度をあげます。周りを馬が駆けていくなど、当時の状況を強くイメージして合戦に参加したことにします。ヘミングウェイの言葉として紹介される「事実を事実のまま完全に再現することは、いかにおもしろおかしい架空の物語を生み出すよりもはるかに困難である」とはよく言ったものです。
ヘトヘトになったところでもう一回食べてみました。が、やっぱり味が濃く感じました。もう運動をいっぱいしたからとかそういうレベルでなんとかできるものでもないのでしょう。でも、走る前に比べて香りが強くなった気がして、ご飯と一緒に完食することができました。
いつの日かどこかの世で、当時合戦に参加していた方に会ったら、こう聞いてみようと思います。
「あの時の鯉、しょっぱかったですよね?」
P.S. 鯉は使い切れなかったため、ベンガルカレーにしていただきました。これもうまかった…
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