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海外からやってきた天狗たち

元々天狗は流れ星のようなものだと扱われていましたが、平安時代になり妖怪としてのポジションを確立してきました。

それは今昔物語にも書かれています。

海の波の音がお経に聞こえると言うのをインドの天狗が不思議に思ったのがことの始まりです。
その原因を確かめるために旅をして、比叡山にたどり着いたのでした。
そこの排水が海に流れていたことが波の音の原因であると驚き、生まれ変わったら比叡山の僧侶になりたいと願うようになったと言う話です。

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中国の天狗として有名なのが智羅永寿です。

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日本をあなどり油断したため、比叡山の高僧に挑んで散々な目にあってしまうという自業自得とは言え、可哀想な天狗です。

天狗は飛ぶイメージがありますが、鳥としての天狗のイメージが具現化されたのは、京都の五条で仏に変化して花を降らせたりと奇跡を起こしてきた天狗が人から拝まれる存在となったのですが、光の大臣に正体がばれてしまい落とされてしまうのです。
見破った際に天狗の正体は鳶だったということで、鳥の妖怪というイメージが一般的になっていくわけですね。

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天狗はその後も色々な奇跡をやるようになりました。
円融天皇が病に倒れたときは、優れた神通力の持ち主として、東大寺に裏山にいる行者が呼ばれました。

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たしかに病は治したのですが、どうも怪しいと思った高僧の寛朝と余慶によって祈祷攻撃を受けました。
その業者はのたうち回って失禁し、獣のような臭いがあったと言います。
天狗の力を使ったものだったのです。
たしかに病を治したとは言え、それは仏法とは対極の外法だったということです。

また尼の姿をした女性の天狗と高僧が争った話というのもありました。
女性の天狗があまり出てこないのは、修験道の神となっていくため、女人禁制の山に女性の妖怪がいるとタブーに触れてしまうからでしょう。
鬼や大蛇のように女性を襲うと言う逸話が少ないのも修験道が関係しているわけです。
たしかに仙童寅吉をさらって冥界を見せるなど少年をさらう話はあっても少女をさらう話もあまりないですしね。

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京都の仏眼寺の阿闍梨をたぶらかすために、天狗が女性に乗り移った話はありました。もちろん不動明王に散々な目に遭わされてしまいました。
天狗は強力なので憑くと厄介です。

天狗がやってきて色々なことがありました。
そこには色々な背景というものがあります。
そういうものをきちんと知った上で発信しなければただただ怪しまれてしまうでしょう。
スピリチュアルなことは背景の理論や哲学と一緒に学ぶことが大切なのです。


これからも良い記事を書いていきます。