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枕草子と修験道の病気祈祷

修験道にも病気に対する対応があります。

修験道では護法童子を式神として使います。

枕草子にも護法童子を病人に乗り移させて病に対処しようという描写があるくらいです。
昔から護法童子はそのくらい身近な存在だったということですね。

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そもそも、護法童子というのは不動明王の両脇にいる矜羯羅童子と制吒迦童子のことです。

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色々な童子の中でもリーダー格の二神であり、その配下に三十六の童子がいます。さらにそれぞれの童子にも、万を超える数の童子がついているのです。
物凄い数のグループというかヒエラルキーですね。

ちなみに護法童子は源氏物語にも出てきます。日本を代表する文学でも登場してくるわけですから、いかに身近なのかよく分かりますね。

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護法童子は剣の護法を使って病気を患者から追い出します。

患者のところに修験者が呼ばれますが、大概はそういう力のある子どもと一緒にきます。

患者の前で真言を唱えます。しかしながら、不動明王が出てくることはまれで、大体の場合はこの護法童子が出てくるわけです。護法童子が患者に憑依します。

病気というのは患者の中にいる邪の存在ですから、護法童子が患者の邪と戦います。護法童子が勝つと、邪は出てきて、一緒に連れてきた力のある子どもに今度は入ります

邪の存在はどうして病魔となったかという言い分をその子供の身体を借りて釈明するわけです。ただ悪いから消滅させるというのではなく、話し合いで解決しようというのが平和的ですね。

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その話し合いで、邪の存在が望むことが可能なら、それを約束します。
護法童子はその子どもの身体に入り、その邪を追い出します。

要望が通った邪はどこかに去っていくわけです。
もちろんその約束は守ります。

護法童子もその子どもから出てくることで一連の対応が終わります。

色々な古典文学にも出てくることからも、昔はこのような存在が当たり前にあったということが分かるわけです。しかし、どうでしょうか、古典の授業で見えない世界について教えてもらえましたか。
肝心なところは教えません。このようなことではダメだと思い、このような活動を行うことにしました。
昔は当たり前だった力を今こそ取り戻したいと思われる方はぜひ一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。