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麻と大麻はちがう植物

6月に入り、蒸し暑くなってきました。
服のショップを覗くと、夏には「麻製品」という看板を見かけることがあると思います。

麻の服は、サラリとしていて、植物の繊維を身にまとっている感じがして、気持ちがいいですね。ラフなシワができるのもおしゃれです。


それに、エシカルな意識も高まって、なんだか地球と共に生きているような気分になります。

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エシカル消費

エシカル(※)消費とは、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことです。

私たち一人一人が、社会的な課題に気付き、日々のお買物を通して、その課題の解決のために、自分は何ができるのかを考えてみること、これが、エシカル消費の第一歩です。
(※)エシカル=倫理的・道徳的

引用:消費者庁



日本人は、古来より麻(大麻)とともに生活を営んできました。


日本全国津々浦々、それぞれの家庭や農家で、大麻を育て、大麻の繊維を採り、女性の大事な手仕事として大麻の糸を績(う)み、大麻布を織り、その布で、着物や帯、褌、股引き、布団や夜着、手ぬぐいなどを手作りしてきました。

昔の日本では、身につけるもの一切が、大麻から作られていたのです。
100%大麻布で作られた製品が、日常に溢れていました。


日本人は、昔から大麻(たいま、おおあさ、おおぬさ)のことを、別称で「麻(あさ)」と呼んできました。

日本では、麻といえば大麻のことを指していました。
そのため、現代でも「麻=大麻」と認識するのは当然の流れです。

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※大麻畑
法的に麻と認められていない


しかし、現代では、この認識は改めなければなりません。
1962年以降は、明確に「麻≠大麻」となりました。


1962年に消費者庁が制定した「家庭用品品質表示法」という法律によって、「麻」という表示は、海外産のリネン(亜麻)かラミー(からむし)に限ると定義されました。

そしていつしか、麻といえば、植物から採った繊維全体を指すようになりました。


この「麻」の定義の中には、日本の大麻は含まれていません。つまり、大麻は、法的に「麻」ではなくなってしまったのです。



今あなたが着ている麻の服は、100%、リネンかラミーの糸で作られています。

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※リネン畑
「家庭用品品質表示法」に認められた法的な麻


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※ラミー畑
「家庭用品品質表示法」に認められた法的な麻


このような理由があり、「日本人の営みを支えてきた農作物」としての「麻」を指したい場合は、「大麻」という名称を使わざるを得なくなりました。


現代日本でも、大麻農家はわずかに存続していますし、大麻の糸を績む技術をもつ人も存在します。

ところが、大麻の糸を績む技術は工業化されておらず、現代でもなお手績みのため、大麻布で作った服を入手したいという願いは残念ながら叶わないでしょう。(自分で糸を作るなら話は別ですが。)

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大麻というと、「芸能人が使用した」などとよく報道があるように、違法ドラッグの筆頭に挙げられるので、なんともイメージが悪いです。

大麻取締法の真相や、薬物としての大麻については、また別の機会にお話しします。

※日本では「大麻取締法」があるので、葉や穂を所持することは違法です。法律はきちんと守りましょう。



大麻が一般に活用されるとカバルが儲からなくなるので、露骨に禁止され、「ダメ。ゼッタイ。」のキャッチコピーでイメージダウンさせられました。

しかし、大麻は正しく使えば、繊維としても薬品としても、素晴らしく優秀なこともまた、事実なのです。

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戦後日本では、あらゆる勢力により、日本人の精神性を徹底的に破壊し、忘れさせる施策が実施されてきました。
日本人は大麻を、木綿や絹と同じように「繊維」として認識していましたが、その心すらほとんど失われてしまったというのは、とても悲しいことです。

サークルでは、日本人の本来の精神性を取り戻す一層深い話をしていますので、関心のある方は、共に学びましょう。



参考文献:

『大麻という農作物 日本人の営みを支えてきた植物とその危機』
大麻博物館 著

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これからも良い記事を書いていきます。