南北に連なる天の神々
星々は神様として扱われていました。
満点の星の中で鎮座する北極星は太一として、星全てを司る神として扱われました。
しかし、この神が北極にいたら世界も動きません。
そのために太一は帝車に乗って1年かけて空を移動しています。
その帝車というのが北斗七星のことです。
反対に北と向かい合っている南には南斗六星があります。
これは皇帝の祖先の霊を祀り、寿命を司っていますから、天廟とも呼ばれるわけです。
ゆえに北極星と南斗六星を結ぶ南北のラインというのは神聖な軸となったわけです。
このような思想が入ってきたことで、日本にも南北の重要性が入ってくることとなりました。
伊勢神宮の伊雑宮で御田植神事がありますが、この大きな扇には太一と書かれているのはそのためです。
また、20年に一度、伊勢神宮では遷宮をしています。
ここで御柱に捧げられる御供物は太一の旗が掲げられた櫃に入れて運ばれていました。
太一は天照大神と習合し、帝車は豊受大神と習合したため、豊受大神に天照大神は乗って宇宙を循環して統治するという形になったわけです。
遷宮の際、御神体をくるむ衣装があるのですが、天照大神の御神体を包む衣は北極星を意味する屋形文錦、豊受大神を包む衣は北斗七星を意味する刺車文錦なのはそのためです。
伊勢神宮の儀式ひとつとっても天文などの背景がきちんとあります。
見えない世界について知る上で背景となっている自然哲学を学ぶことで多くの応用ができるというわけです。
単なる占いの哲学ではありません。
そのような背景も含めて学ぶことで軸のしっかりした知識がアウトプットできます。
興味のある人はぜひ一緒に頑張りましょう。
これからも良い記事を書いていきます。