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三島由紀夫と石笛

石笛の音色に魅了された方は多い様です。

自然が作ったとは思えないほど、神さびた音色を奏でます。

その音色に魅了されたのは、かの三島由紀夫も同様でした。

英霊の声という作品がありますが、そこで石笛の描写が出てきます。

石笛の音は、きいたことのない人にはわかるまいが、心魂をゆるがすような神々しい響きを持っている。
清澄そのものかと思うと、その底に玉の様な温かい不透明な澱みがある。
肺腑を貫くようであって、同時に春風駘蕩たる風情に充ちている。
古代の湖の底をのぞいて、そこに魚族や藻草のすがたを透かし見るような心地がする。
又あるいは千丈の井戸の奥底にきらめく清水に向って、声を発して戻ってきた谺をきくような心地がする。

石笛の音色を見事に表現していますね。
三島が石笛を吹いていたという記録はありませんから、誰かが奏でているのを聞いたことがあるのでしょう。

三島由紀夫については、壮絶な死に様の印象が強いですが、何と石笛についても詳しいというのに驚かされますね。
学校等で三島の文学作品に触れた方は多いですが、見えない力についての記述もキチンとあるわけで、こういうところを学校はスルーせずに教えて欲しいと思います。
見えない世界というのはこのくらい身近なことですから、興味を持っている人はぜひ一緒に学んでいきましょう。


これからも良い記事を書いていきます。