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理趣経概要

真言密教の寺院で今でも日々読まれてる重要な経典が理趣経です。
かつて、空海が持ってきたものです。
この意味は、全てのものの大いなる楽は、金剛のごとく、不変でむなしからずして真実なりという思いを示す経です。

全ての宗教にとって、煩悩というのは一つの大きなテーマです。
密教においては、人間的な欲望は宇宙の生命につながるものとして否定はしていません。
煩悩を含んだこの現実世界の全てを肯定して、その中から理想なものを見出し、現実世界の中に絶対の世界を実現するのです。

理趣経は密教のその現実の肯定の姿勢を押し出しています。
貪欲も愛欲も怒りの心も肯定し、ありのままの状態で価値転換をする時に、万物はその本質において汚れないということが、明らかになるのだと説いています。

欲望を肯定しているのですから、様々な流派が出てきた際に、立川流などが生まれてくることも必然だったのでしょう。

欲望を否定するという宗教も多いですが、欲望も含めて現実世界を肯定するというのが密教の特徴です。
様々な宗教があるように、人それぞれに相性というものがありますし、合ったやり方というものがあります。
様々なものを知ることによって選ぶこともできますし、組み合わせることもできるようになるでしょう。
見えない世界について体系的に学びたいと思う方は、是非一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。