見出し画像

天海の最初の奇跡

雨を降らせることができるというのはひとつの重要な指標でした。

江戸幕府を影から支えた天海もそのような奇跡を起こしています。

それは1593年の夏のことでした。
常陸の国で行ったのです。
壇上で、まさしく全霊を込めた祈りを捧げました。

天海は青衣に身を包み、手にを結び、経文を唱えました。
周りの僧も一緒に読経し、その言霊は天へ昇っていきました。

そうすると、黒い雲が出てきて、龍が頭を動かすようにわきたち、天を覆いました。
涼しい風が吹きおろし、風は草むらを騒がせて川の水面に波を生みます。
稲妻が走り雷鳴が轟き、滝のような雨が降り出したのです。

それでも、天海は身じろぎひとつせず、高らかに秘密の真言であるダラニを唱え続けたのでした。

この時の旱魃は大変ひどく、草は枯れ、千里の間に青い草が無かったと言われていました。
このひどい有様に対し、住民たちの願いを聞き入れて、状況を打破した雨乞いが天海の存在感を一気に高めたと言えますね。

天気が変わるというのは科学技術以前にも方法がありました。
見えない世界の力を駆使することで、納得いかないようなことも裏がわかるというものです。
見えない世界について興味のある人はぜひ一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。