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鎮宅霊符が日本にやってくる

孝文帝によって、鎮宅霊符が中国で広まりました。

しかし、中国で広まり、奈良時代に一度入ってはいるのですが、大々的に広まるような形で日本に来るのは随分後になってからでした。

中国では、元から明の時代にかけて、霊符をまとめた書籍が登場しました。
それが太上秘宝鎮宅霊符です。
それが室町時代に日本に伝わったのです。

そして、日本人による要素追加が行われるのです。

この霊符が日本にやってきた時、最初に飛び付いたのが三井寺でした。

天台宗と吉田神道に関心を持つこのお寺は妙見菩薩を主尊としています。

効果のあるものは積極的に取り入れようとする精神によって、鎮宅霊符が用いられた結果、鎮宅霊符の主神が妙見菩薩であるかのような状態を起こしたのです。

新しく入ったものであっても、昔から権威があったかのようにされてしまうということですね。

見えない世界についてやっていると、時折本来とは違うなということがよく起こります。
それだけ時代が経っているからやむを得ない部分もありますが、背後に広がる根本的な思想をきちんと知ることで本来の姿にアプローチできるのではないでしょうか。
見えない世界はもちろんのこと背景に広がる思想哲学もきちんとやることで伝言ゲームの弊害を防ぐことができるのです。


これからも良い記事を書いていきます。