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あの世の鬼たち

三途の川というのは、皆さまも聞いたことがあるでしょう。
鬼は地獄以外にもいるという話があります。
醍醐寺に蓮秀という僧がいました。
彼は亡くなった後、山を越えて道をひたすら歩いたそうです。鳥の声すら聞こえない静かな道だったと言います。
道を進むと川がありました。それが三途の川なのですが、そこのほとりに顔の卑しいお婆さんのような鬼がいました。
なんと服をよこせと言い出す始末。
しかし、4人の天童がやってきて蓮秀は観音が庇護している存在だと伝えられると突然合唱して敬い始め、蓮秀を現世に送り返してしまいました。
彼は蘇ったわけですが、この老婆が、かの奪衣婆なのです。

平清盛の死に際に、妻の時子は牛のようなモノと馬のようなモノが夢に出てきたと言います。それは牛頭鬼と馬頭鬼のことだったのです。
娘の徳子の出産の時は崇徳院や藤原頼長らの生き霊が祟りました。

唐で閉じ込められていた吉備真備が、鬼になった阿倍仲麻呂に救ってもらいましたし、その息子は親の屍を守る鬼から未来の情報を夢を通じて伝えてもらうこともありました。

孔雀明王の呪法によって、前鬼、後鬼を従えた役小角もおりましたが、プラスになってくれるケースとマイナスになってくれるケースがあるということですね。

鬼は地獄にだけいるのではありません。
やっとこの世の大変なことが終わったと思ったら、三途の川にもいるなど、油断ならないことが分かったと思います。
死後も含めて人生を歩む上で、見えないものについて理解しておくというのはとても大切です。
皆さまもぜひ一緒に学んでいきましょう。


これからも良い記事を書いていきます。