晴明への挑戦
何だかんだ天皇直属にまでなる陰陽師ですから、当然アドレナリンジャンキーな怖いもの知らずに狙われるものです。
今昔物語にはそういう話も残されています。
その何とも勇気のある僧侶の名前は智徳。
智徳は2人の童子と共に晴明を訪れます。
実はその童子は式神なのです。
晴明は咄嗟に印を結び、密かに呪文を唱えたのです。
印を結ぶのは密教的な呪術を使ったということでしょう。
おそらく結界で身を守ったということでしょう。
さらには式神を伏せたと書かれているわけですから、式神を操ったということがうかがえます。
しかし、智徳は自分の式神が操られているなんて気付いていませんでした。
挨拶がてらの偵察も済んだので、帰ろうとしたのですが、自分を攻撃しようとした人間がいるわけですから、晴明も反撃を開始します。
晴明は、次回は改めて良い日を選んでくるようにと、最大の皮肉を込めた挨拶で、返答しました。
智徳は去って行きましたが、しばらくすると焦った様子で戻ってきました。
そして、あちこちを探し回りました。
式神は晴明が操っていますから、居ないので智徳は焦ったわけです。
智徳は晴明に童子2人と来たはずなのだが知らないかと尋ねました。
本来、式神は見えないものですから、晴明はとぼけて、童子なんて見ていないと答えたわけです。
智徳の悪意がバレたのでした。
智徳は大切な式神を失い、泣き出してしまいました。
自業自得ではありますが、さすがに晴明も可哀想に思ったのか、式神を返してあげたのです。
智徳は改心し、晴明に弟子入りしたのでした。
そういう不届きな人間に狙われるなんてことも残念ながらあります。
的確に守り対処できるということが大切ということです。
見えない世界のことを知っていきましょう。
これからも良い記事を書いていきます。