今昔物語と物の怪たち
安倍晴明さまの師匠に賀茂忠行さまがおります。彼の息子さんは保憲さまです。保憲さまが父のお祓いについていった話が今昔物語にあります。
陰陽師は基本的に現地にかけつける仕事のスタイルでした。
保憲さまは父のお祓いの様子を見ていたわけです。
お祓いですから御幣などが多く並んでいたこともキチンと見ていました。
そんな中、気色の悪いおかしなものが2、30ほどやってきて、お供え物を食べ始めたと父に対して話すのです。食べ終わったら作り物の小さな牛車や船に乗って、どこかに行ってしまったと。あの気色の悪いものは何か父に話したのでした。
とても才能のある息子さんですね。全部見えていたのですから恐れ入ります。
今昔物語にもありますが、陰陽道のお祓いっていうのは、何かお供えをして、どこかに害のないところに行っていただくというスタンスなのが分かります。
神道式のように何かの祓詞の力によってお祓いをするのとスタイルが違うということですね。
学校でも古典の授業があるのに、どうしてこういうのを題材として取り上げないのか不思議です。きっと見えない力のことは隠したいのでしょうね。
今昔物語のような有名なものであっても、当時の人が実際に行ったことが描かれています。見えない力というのは決して特別なものではありません。誰かが隠しているだけなのです。
それを知るだけでも特別なものに気付くでしょう。
ぜひ皆さまもいかがでしょうか。
これからも良い記事を書いていきます。