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大国からの説得

蘇秦は元々秦の恵王に作戦を提案したものの、受け入れてもらえませんでした。

その後、張儀が同じことを提案して採用されるので、内容自体は悪くなかったのです。

作戦の内容は敵である六カ国をひとつずつ撃破していく方法です。
六カ国が結んでしまうと秦に対して厄介な連合国になってしまいます。

まずは、小国ひとつと結ぶことで、六カ国の同盟を阻止します。
小国同士を分断させれば、相手は小国ですからひとつずつ撃破できるでしょう。

皇帝は張儀の策を受け入れたため、中規模だった斉に張儀が向かい、斉王を説得しました。

斉が秦との同盟を受け入れないと、隣国の魏や韓と結ぶため、斉は三方向から攻め立てられるだろうと、脅しました。
また、魏や韓は斉の領土を狙っているのだから、秦と組むことで、その企みも阻止できると小国同士を疑心暗鬼にさせました。

そもそも、長期的には小国は大国には勝てません
たとえば、戦力10の小国と戦力100の大国が戦ったとしましょう。
局所的に小国が勝ち、小国が5の損害を得た中、大国に10の損害を与えたとすれば、戦いの後は小国5で大国90の戦力となります。
もう一度同様の局所的な勝利があったとしても、その後は小国0で大国80の戦力となってしまいます。
二度小国が勝っても、最終的に大国は勝つのです。

そのため、強い国と結ぶ連衝策には普通は乗りません
結んだとしても大国に攻められるリスクはありますし、他の小国を倒しても大国に吸収されることもあるからです。

これは本質をついており、後にマキャベリも同じことを述べています。

・他国が強くなるのを助ける国は自滅する。
・自国より強い国の手を借りるな。
・強い国に協力して、弱い国を滅ぼすと、次は自分が強い国の餌食となる。
・決断力の無い君主は中立に逃避して滅びる。

見えない世界というのは合戦でも必要なものでしたから、現実的に使えるように長い間、研究されてきました。
戦略などを考える上では有効です。
見える世界だけで限界を感じている方はさらなる飛躍が見込めるでしょう。
ぜひ一緒に見えない世界を学んでいきましょう。


これからも良い記事を書いていきます。