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災害に対する良寛と日蓮
曹洞宗の僧侶であった良寛は、地震で子供を失った山田杜皐に送った手紙を送ったことがありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1709650130175-LvZjG5sjA1.png)
地震は信に大変に候
野僧 草庵は何事もなく、親類中死人もなくめでたく存じ候
うちつけに、死なば死なずに永らえて、
かかる憂きめを見るがわびしさ
災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
死ぬ時節には死ぬがよく候
これはこれ災難をのがるる妙法にて候
と書かかれています。
これは、自分は長く生き延びてしまったがために、災害によって沢山の人が亡くなるという辛い経験をしてしまった。
人間はいつ災難にあったり、死んだりするか分からない。
そうであるならば、この理不尽な世界を受け入れて一生懸命に生きるしかないという意味を込め、知人を生きることの本質を説きながら救おうとする禅宗的な意図が読めます。
これに対して、日蓮は、度重なる災害や疫病が起こる原因を追求し立正安国論を執筆しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1709650156198-urWZaKXune.png)
国を失い、家が滅んでしまえば、どこへ逃げることができるだろうか。
あなたが自身の安全を願うならば、まず四表の静謐を祈ることが必要ではないか。
早く信仰の寸心を改め、速やかに実乗の一善に帰せよ。
そうすれば、この三界はみな仏の国土となる。
ここで、日蓮は、災難に遭う原因を悪業の蓄積とし、しっかりとしてた信仰心を持ち社会全体の安泰を願い行動することが必要であると、法然を批判するとともに、正しい理念にもとづいて政治がなさていないという政治批判をしています。
日蓮は、災害は自然災害としてだけでなく、問題の根本に人為性があると考えます。
災害対策を、その場凌ぎにしないためには、政治がしっかりとしたモラルと理念を持っていなければならないと当時の権力者に説いているのです。
日本は災害の多い国です。
良寛が言う様に日本人であるということは、いつ災害にあっても、それを受け入れる覚悟を持っていなければなりません。
最近の政府を見ていると、日蓮の立正安国論が予言書と呼ばれる意味が分かる気がしますね。
多くの人々が災害に向き合ってきました。
そこから生まれてきた考えは、今にも当てはまると言えます。
過去の叡智を知ることはリスクを回避するためにも重要ですから、興味のある人はぜひ一緒に頑張りましょう。
これからも良い記事を書いていきます。