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密教とインド妖怪

陰陽道において不動明王はとても強い神様です。

日蓮宗の場合は不動明王の様に強い神様としては鬼子母神が出てきます。
密教では訶梨帝母とも呼ばれますね。

何百人も子どもがいる鬼で元々は人の子を食料としてさらっているインドの鬼でしたが、釈尊によって子育ての善神に生まれ変わりました。

彼女に限らず、密教においてはインドの妖怪が多く出てきます。
これは名称こそ梵語とはいえ、同じ様な妖怪というのは日本にもいるため、梵語の経典が妖怪辞典のような役割も果たしたためです。

たとえば、毘陀羅は死者が蘇った妖怪ですから、今でいうゾンビのようなものです。
死者が蘇る恐怖というのは万国共通ということなのでしょう。
だからこそ太古は手足を曲げた屈葬をしていました。

烏摩勒伽は人の精気を吸うわけですが、日本にもヤマチチというムササビの妖怪が同じ様に精気を吸います。

こうした妖怪たちの頭を叩き割って倒すのが鬼子母神というわけです。

見えない世界にもそういった歴史的な背景というものがあるのです。
そういう裏側を理解していかないと、どうしてそうなるのかということが分からず、ふわふわしたことしか言えなくなってしまいます。
ただでさえ見えない世界が相手なのですから、地に足をつけるためにも、そういった背景も含めて学んでいきましょう。


これからも良い記事を書いていきます。