無名の学
老子について史記には才能を隠し、無名であることと記されています。
その言葉通り、中国の思想家の中でも老子はミステリアスな部分が多いです。
姓は李、名は耳というのに、李耳とは言わずに老子と呼びますしね。
教えにしても静かなものが多いですし、積極的という印象もありません。
強者よりも弱者といったところです。
しかし、これは争奪と興亡の激しい春秋時代に対する工夫だったのでしょう。
激しい動乱の流れに流されぬよう内省と自己判断を怠らなかったことが控えめな姿勢を生んだのです。
とはいえ、主体の喪失した現代も当時に近いのかもしれませんから、老子の生き方というのは現代人に通ずるところが多いかもしれません。
老子の教えは上篇と下篇がありますが、それぞれが道と徳となっています。
道徳といっても、今の学校で習う道徳は道徳の名を盗んだものですから、内容は違います。
大切なことを隠そうと言うのが教育委員会のやり方です。
中国哲学というのは見えない世界の根っこの部分を知ることによって把握できるものです。
感性と理性の両面から学んでいくことでこうしたことも腑に落ちるようになるでしょう。
興味のある方はぜひ一緒に学んでいきましょう。
これからも良い記事を書いていきます。