見出し画像

意味をずらすネガキャン

蘇秦は外交戦略をまとめ、鬼谷子を著したのです。
そこには揣摩ができなくて秦の王を説得できなかったという苦い経験が込められています。

誰かに伝えるという意味もあるのでしょうが、この大きな失敗を自らに刻みつけるために文章にしました。
元々中国人は文章を飾り立てることが好きですから、あえて難解な表現を用い、自らを鬼谷子というフィクションとして書くことで神秘性も持たせました。

ようするに揣摩権謀について記述されています。
とはいえ、この言葉の意味が変わっており、現代人にはあまり良い言葉と思われていないのではないでしょうか。
揣摩も憶測をつけていい加減な想像の意味に使いますし、健忘にも術数をつけて悪巧みのような意味にされています。

しかし、鬼谷子を知ると、蘇秦の合理性でしかないのです。

別に揣摩というのは情勢や相手の心理を具体的な手段を用いて判断することですし、権謀というのは揣摩の結果のもとに対応手段を合理的に選び出すことなのです。

揣摩と権謀というのはITの時代にとってはごく当たり前のものですし、カタカナに直してビッグデータやインテリジェンスなどと呼んでいるものなのです。

そんな悪い意味ではないのにも関わらず、揣摩や権謀にネガティブなイメージを持っているというのも不可思議ですし、合戦のような命懸けのことに対して、こういうものに占術を用いるわけですから、本来は極めて重要なものです。
しかし、言葉の意味をおかしくとらえさせることで、人々を遠ざけようとしています。
相手を知り、適切な方法を選択するというのは現代においても重要なわけですから、関心がおありでしたらぜひ一緒に学んでいきましょう。


これからも良い記事を書いていきます。