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道鏡の実力

成功はしませんでしたが、女帝に取り入った道鏡がいました。

あまりにも大きな事件だったため、道鏡のエピソードはそれしか知られていないのも事実です。
日本の国家を揺るがした訳ですから、それが強調されるのが分かりますが、彼の見えない世界への影響力というのもすごかったことでしょう。

弓削道鏡と言いますが、弓削氏と言うのは蘇我氏と宗教争いをした物部氏側の一族でした。

物部守屋が敗れたことで、弓削氏も蘇我氏の奴隷とされてしまった辛い時代がありました。

しかし、蘇我氏によって仏教がもたらされた時代でしたから、当時の河内には渡来人が多く、彼らの文化ももたらされていた訳です。
奴隷ではあったものの道鏡は法相宗の義淵僧正に弟子入りしたのでした。

そこで加持祈祷の才能があったこともあり、その噂はあっという間に奈良まで届きました。
そこで病に倒れていた女帝の治療を依頼されたのです。

そもそも法相宗というのは精神活動の根底となる意識の流れを重視している教えですから、今でいう催眠療法のようなことができた訳です。
その上、彼は役小角の本拠地だった葛城山でも修行した経験がありました。

そこで按摩や指圧などの心得を得たわけですね。
法相宗で精神的な部分を理解し、葛城山で肉体的な部分を理解していたとなると、まさに当時の最先端の医療知識があったと言えます。

ここまで来ると女帝の脇が甘かったわけではなく、道鏡にはそれができるだけの実力があったと言うことなのでしょう。

精神と肉体という両面ともに詳しかったことで道教の実力はすごかったということです。
見えない世界を自分の人生に活かそうと思うとそれくらいの幅広いことをやっていく必要があります。
長い道のりではありますが、皆さまも一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。