サウナ文化遺産 田迎サウナに行ったはなし
熊本出張から帰京する日。ドーミーイン熊本にて、朝ウナ2セット。チェックアウトの11時まで仕事をしていた。
大分、熊本を5泊したのだが、コロナの影響は東京よりもすさまじく、飲食店がほとんどやっていなかった。20時台でラーメン屋も、資さんうどんもやっていない状況。毎日会場での弁当とコンビニ飯をホテルで食べるしかなく悲しくなっていた。
その為、「せめて最後ランチに馬刺しを食べに行こう」と調べるが、なんとランチ営業も9月まで行っていない店が多く、11時からやっていると書かれていたお店に向かったが、真っ暗でやっていなかった。
11時半からやっていると書かれているお店も見たが、オープンする気配が全く無かった。
「どんだけ厳しんだよ。コロナめ、、、」
と思い、諦めて熊本ラーメンを食べた。別にラーメンを食べたい気分で無かったが、思ったより美味しく救われた。
11時半にランチ終了。フライトは14時50分。時間が余ってしまった。
「そうだ 田迎サウナ、行こう」
レンタカーのナビを入れるとちょうどオープンの12時着だ。ナビを見ながら向かっていると、「田迎○○交差点を直進」とナビ。
「ん?田迎って、たむかえと読むのか」
僕はずっと田迎(でんげい)サウナと思っていた。字的に中国のイメージがあり、勝手に音読みをしていた。
駐車場に車を止め、建物を見る。イメージ通りだ。知らなかったら絶対に入らない。
階段のシャッターは少し閉まっている。
田迎サウナは無人営業。受付で500円を支払う。1000円札を入れ、吊るされたお釣りの500円玉を取る。どうやら、先客は1人だけのようだ。
ロッカーも渋い。常連さんのシャンプーセットがたくさん置いてある。
休憩室も渋い。まさに昭和にタイムスリップした感じだ。
ロッカーで素早く服を脱ぎ。緑のタオルを一枚取り、浴室のドアを開ける。
ふと浴室内を見渡すと、前方にお風呂と水風呂、右側にサウナ、中央にイスとベンチ、左側に洗い場。洗い場の一番端に、おじさんが髭を剃っていた。おじさんに会釈をする。
田迎サウナについては、今年1月に発売されたサウナブロスで知り、読んだだけ。500円玉のお釣りが吊るされている。休憩室は裸で休んでいい。くらいしか情報を持っていなかった。
「こんだけ独特なサウナなので、特殊なルールがあるかもしれない」とおびえつつ、イスと桶を取り、通常通りシャワーで身体を洗う。
シャンプーが置いてある。「これも誰か常連さんの置きシャンプーなのではないか?」と思うも、他のシャワーにも同じシャンプーが置かれていたので、「これは共有のシャンプーだな」と安心して、頭を洗った。
イスと桶を元にあった場所に戻し、おじさんをチラ見して、お風呂へ。おじさんはまだ髭を剃っていた。
ちなみに、田迎サウナ、大きい方が水風呂で、小さい方がお風呂という、特殊な設定。
お風呂に足から入る。クソ熱い!神田セントラルホテルの41度の熱いお風呂が好きな僕でも、全く入ることが出来ない熱さ。
恐らく44-45度じゃないだろうか。
お風呂には、蛇口が2個か3個ついていたと思う。しかし、水を入れて良いか分からない。勝手に水を入れた時にゃ「おい!兄ちゃん!勝手に水を行けちゃいけんよ!」と怒られるかもしれない。
すぐ近くにいるおじさんに「すみません、お風呂に水を入れても良いのでしょうか?」と聞こうと思ったが、おじさんは黙々とまだ髭を剃っていた。
何度かチャレンジしたが、結局入ることは出来ず。足だけ浸かり、手でお湯を身体にかけていた。浸かっている部分は真っ赤である。「時間がもったいない」と思い、サウナへ行くことに。
しっかりと身体を拭く。サウナ横にメガネ置きは無い。カミソリが吊るさせている針金に、メガネを吊るす。同時に、ビート板も吊るされていたので、ビート板を持ち、サウナへ。
サウナ内は熱い、とても熱い112度。テレビが付いており、ひるおびが流れていた。サウナ内は、タオルが敷いてあるのだが、きっちり全面に敷かれているわかではない。タオルが敷かれていない隙間に触れると熱くて火傷しそうだ。
上段にビート板を置き胡坐をかく。「良い、めちゃくちゃ良い」
出張中は、ホテルでサウナに入っていたが、レベルが違う。
すぐに汗が噴き出てきた。6分入り、早速水風呂へ。
水風呂には桶がない、そのまま入っていいルールと聞いたことあるような。しかし、そのまま水風呂に入った瞬間「しっかり汗流してから入らんと!」とおじさんに怒られるのをビビり、シャワーで身体とビート板を流し、水風呂へ。
「良い、めちゃくちゃ良い、やわらかい」水温は18度くらいか。そして深い。水が頭の上からドバドバ入れられている。コップが吊るされていたので、ドバドバ入れられている水をコップで飲む。
キンキンに冷えてるわけでは無いので「美味い!」とはならないが、「優しい!」心身ともにくたびれていた僕は、コップで2杯飲んだ。身体に優しさが染みわたる。
水風呂では、プカプカ浮かんだり、湯らっくすみたいに、ドバドバの水を頭から被ってみたり、とてもリラックス出来た。
ちなみに、おじさんは頭をゴシゴシ洗っていた。
水風呂後、身体をしっかり拭き、休憩室へ。タオルが敷かれたチェアーがたくさんある。
冷蔵庫があり、アクエリだったかな?とオロナミンCが入っていた。これもお金を入れるシステム。横には、ウォータータンクがあり(今調べると、ジャグタンクというらしい)グラスを取って飲んでみた。こちらはキンキンに冷えていて美味かった。
タオルの敷かれたチェアーに座りしばし休憩。休憩室のテレビは、NHKの全く興味が無い番組が流れていた。
しかし、僕には時間が無い。サウナと水風呂のすばらしさに感動した為、なんとか3セット入りたいと思っている。
2セット目、サウナに入ると、おじさんが下段中央に座っていた。おしりには別のタオルが敷かれている。
「休憩中におじさんが、お風呂から出てきて、何かを取りに行ったのは、タオルだったのか。ビート板ではなく、タオルを敷くのが正しいマナーなのか?」
おじさんは僕より先に出た。タオルは置きっぱなしだ。「これはタオルで場所取りOKということ?」未だにルールが分からない。
おじさんが出た瞬間、耳を澄ませる。「ジャバーン!」恐らくそのまま水風呂に入ったと思われる。しかし、目で見ていないので、真実は分からない。
数分遅れて、サウナを出る。そのままジャバーン!とはせず、先程と同様シャワーで流してから水風呂に入った。
「あー気持ち良い」と入っていると、新しいおじさんが入って来た。「こんちは!」と言われ「ちわ!」と返す。が、メガネをかけてないので、一瞬怒られたかと思った。
水風呂後、休憩室に行くと、最初のおじさんがパンツ一丁でテレビの目の前で休憩していた。タバコを吸いながら、スーパーリラックス状態だ。
しかし、喫煙者でない僕からすると、休憩にタバコの煙はいらない。クーラーと扇風機の前で、なるべくタバコの匂いを感じないようにに工夫し、数分で休憩終了。
最後の3セット目。休憩室でタオルが置かれていたのを発見。2種類ある。とりあえずおじさんが敷いていたタオルを持ちサウナへ。
「こんちは!」と挨拶してくれたおじさんが下段に入っていた。僕は上段に座り、おじさんはサウナを出る。すぐに戻ってくると、歯磨きしながら入って来た。「おーサウナで歯磨きもOKなのね」
サウナ室内に歯磨き粉のミントの香りが充満する。これは初体験だ。
歯磨きをするおじさんを見ながら、「ここには特にルールが無いのが、ルールなんだろうな。何を俺はビクビクしていたんだ」と少し勇気が出た。
サウナを出た後、水風呂にジャバーン!と頭から潜る。「はぁー気持ち良い!」と顔を上げた瞬間「ちわー!」と言われた。右を見ると新しいおじさんがお風呂に浸かりながら、挨拶をしてくれたので。
「ジャバーン!と入ったから今度こそ怒られてたのかと思ったわ」と思いつつ、「こんちわー」と挨拶。
ここで違和感。「ん?お風呂に浸かっている?」
おじさんは蛇口全開で、お風呂に水をドバドバ入れて気持ちよさそうに浸かっていた。
「そりゃそうだよな、あんな熱い風呂水入れないと入れないよな」と納得。
水風呂後は、時間が迫っていた為、休憩そこそこに着替える。ドライヤーはテレビの横にある。テレビの目の前では、先程のおじさんがタバコを吸いながら電話をしていた。
「横でドライヤーしたら失礼かな」と思いつつ、とりあえずドライヤーのスイッチオン。おじさんを見るとそのまま楽しそうに電話をしていた。急いで髪を乾かし、約1時間の田迎サウナ終了。
施設自体はとても古いが、汚いと感じることはなく、サウナと水風呂をクオリティは想像以上でビックリ。また数年後に行ってみたいと思うようなサウナでした。
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