ストロングゼロ＝ヤバい酒 なのか改めて考えてみた

前職の先輩と飲む機会があった。

ここ数年よく聞かれるのだが、どういう人がタイプなのか、と独身の僕に対して定番の質問を受けた。数か月前、別の先輩からプロファイリングされてから、毎回こう答えている。「自分を持っていて、気遣いが出来る人が良いです」 さらに「これを読んでアドバイス下さい」とこの記事のURLを送るのが、最近の返答トレンドだ。

急によくわからない記事を送られてアドバイスを求められるなんて、普通に考えると訳が分からないのだが、幸いにも僕の周りには優しい人が多く、本当に読んで感想を送ってくれる人がいる。

今回の先輩には、「こんな感じで信頼できる人と、出来ない人を100個考えたんですよー」といくつか見せると、この一個に引っかかったようだ。

８８．家にストロングゼロを常備している人
毎日お酒を飲む僕でもストロングゼロを常備している人には恐怖を抱く。あれを毎日飲んだら絶対に寿命が縮むと思っているので信頼できない。

先輩はストロングゼロを常備している人を僕がなぜ信頼できない理由が分からないようだった。僕は、ストロングゼロ＝安くてアルコール度数が高い酒。つまりヤバい酒、という認識を持っている為、「ストロングゼロって簡単に酔っぱらえてヤバい酒なんですよ」と言うと、その味が好きな場合もあるじゃないかと言われる。

初めての返しに一瞬ドキッとするが、「テキーラの味が好きだから毎日飲んでいるくらいヤバいです」と言ったが、いまいち例えが上手くない。「大麻の香りが好きだから毎日吸っているくらいヤバいです」とさらにハードな例えで伝えてみたが、ちょっとストロングゼロに悪いなと思い、「ストロングゼロ＝鬼ころしと思って下さい！」といかにストロングゼロがヤバい酒かと言うことを伝えた。これはストロングゼロにも鬼ころしにも悪い気はするが。さらに「ストロングゼロ500ml飲んだらそれだけで酔えます」と経験談もプラスして伝えた。

先輩は、僕の説明＋熱意でなんだかわかるようになったが、いまいちピンと来ていない。「これですよ！9％ですからね！」とスマホでストロングゼロの画像を見せる。先輩は、シズル感があった美味しそうだ、とここでも予想外の答えを出してきた。「さすが印刷屋だな」と思いつつ「確かに美味そうですね」と今のストロングゼロのパッケージが美味そうだったので、思わず共感してしまった。

ストロングゼロを、美味しそう と表現する人に初めて会ったので、なんだか拍子抜けすると同時に「俺の頭が凝り固まってるんじゃねえか」と「自分の考えを押し通そうとする悪い癖が出ているかもしれない」と客観的に考えてみたりもした。

ちなみに、前職でストロングゼロのサントリーさん、鬼ころしの清州桜醸造さんの担当をしたこともあり、両社には人よりも愛着を持っていることだけ書いておく。

確かに美味しそうだ

先輩は、もし自分の家にストロングゼロが常備されていたら信頼できないのか、と聞いてきたが、「はい、酒に関してはヤバい人だと認識します。もちろんそれだけでは判断しないですけど」と正直に伝えた。その瞬間、身近な人でストロングゼロを常備している人が頭に浮かんだ。僕の叔父である。おじちゃんはストロングゼロのドライを箱買いして、それを飲みまくっている。元教員で、今は、畑と犬の世話をしている優しいおじちゃんをヤバい人だと認識したことはなかったので、おじちゃんのイメージは頭からかき消して先輩にも伝えなかった。

ストロングゼロトークから興味を持った先輩は、一度飲んでみてレビューをする約束をしてくれた。その後、ワインやウイスキーを結構飲み解散した。

翌日、お礼の連絡をすると、飲んだ割には酒が残っていない、とのこと。「昨日は良いお酒を飲んだので、これがストロングゼロだったらお互い死んでますよ」と返信すると、どうやらストロングゼロのヤバさが伝わったらしい。

翌日、ドラッグストアに行く機会があり、試しにストロングゼロのダブルレモンとダブルシークヮーサーを買い、夜にダブルレモンを飲んでみた。味は昔よりも美味しくなった気がする。飲みながら「ストロングなのにゼロってなんだか矛盾してない？」という疑問を持つ。「でもストロングだけど、ゼロなんだよ、というイメージを持たせたいのかな？」とストロングゼロというなんとも絶妙なネーミングに感心しながら、その日は、金麦、こだわり酒場のレモンサワー、ストロングゼロを飲んで就寝した。

翌朝起きると、頭の端にチクリ と痛みを感じる。「あぁこれはストロングゼロを飲んだからだ。やっぱりやべぇ酒だったわ」と、少し変わりかけていたストロングゼロの印象を一瞬で元に戻した。以前よりも、より「ストロングゼロはヤバい酒」という認識をすることになり、もう僕は自らストロングゼロを買うことは一生ないと思う。