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Mr.Neverland

ネバーランド。

『ピーター・パン』に登場する歳をとらない夢の世界である。

物語の中ではロンドンから3時間くらいのところにあるらしいが、もちろん現実世界のロンドンからどんな道を往こうがネバーランドに辿り着くことはないだろう。

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この現実世界では、"老い"だけはどんなものにでも平等だ。

金持ちも貧乏人も、有名人も一般人も、いや人間だけじゃなく犬も猫も植物だって平等に老いる。経年劣化という意味で幅広く捉えるならば無機物だって老いるだろう。

ここまでが現実の話。

そしてここからが夢の話、そして、僕の話。

僕は老いたくない。いや、一般論的に死を恐れているとか、あるいはもっと現実的に身体機能の衰えや加齢臭なんかを気にしているというわけではない。

僕はこの世界の行く末を見届けたいという願望が昔からある。

つい数百年前までは車もスマホもパソコンもなかった。それが今では世界はテクノロジーに支配されている。数百年なんて地球全体の歴史から見ればほとんど誤差のようなものだ。しかしそんな誤差にも等しい時間で世界は大きく変化した。

そしてこの先、さらに凄まじいスピードで変化は進んでいくだろう。人々の生活が、文化が目まぐるしく移ろっていくだろう。

僕はそんな変化を見届けたい。そして、そんな変化の中を生きたいのだ。この先何が生まれるのか。何が死ぬのか。そんな激動の世界の中をずっとずっと生きていきたい。

そんな生き方が幸せかどうかなんて、そんなことを論ずるつもりはない。これは僕の純粋な好奇心だ。

だけど僕が生きるのは現実の世界だ。Mr.Neverlandはどこにもいないだろう。僕がなれる道理もない。残念ながら。

ああ、でも、見てみたいなあ。この世界の果ての果てを。

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