退屈な人へ『華氏451度』を読んでほしい
最近、コロナで外出できずに退屈だなぁ~、テレビクイズ番組ばっかで飽きてきたな~、世の中に何か違和感を感じるわ~、という人、是非読んで欲しい。
今回紹介するのはレイ・ブラッドベリ著、伊藤典夫訳『華氏451度』です。
これは、本が害であるとして、本を持つことが許されなくなってしまった世界の話である。
本がなくなってしまった世界?はは、まぁ本なんて無くても生きていけるし。でも、なんだか心がムズムズするなぁ…よし、読んでみるか。そんな軽い気持ちで読み始めたがなかなか恐ろしい世界である気がしてきた。
学校では教師はただ答えをしゃべって生徒は黙っているーーー
心を無くしてしまった子供たちーー
誰も心を取り戻したいとも思わない世界、な~んて、なんだか悲しい世界だなぁ、でも、あれ、今、自分が生きている世界のことではないよな…?
耳には≪巻貝≫がはまりーー
よしよし。私には巻貝なんてはまってない。
おや待てよ。本当に≪巻貝≫ははまっていないのか?私は命令のままにしか動けない…?私は、何を“見て”、何を”聴いて”いるのか…?
スポーツをーー
そうすれば人間、物を考える必要はなくなる。本にはもっとマンガを入れろ、写真をはさめ
心が吸収する量はどんどん減るーー
テレビは”現実”だーー
ーーあれを考えろ、これを考えろと指図してがなりたてる。それは正しいにちがいない、と思ってしまう、とても正しい気がしてくる
今、私たちの心は?この世界のように操られていないのか?
主人公の彼女は言う
本は人じゃないーー
私の”家族”は人なのーー
本を読めば、どうなる?
人、とは?
家族、とは?
知らずのうちにこの世の中に感じていた”違和感”を引きずり出されたような気持ちになった。
私は”何を”知っているのか?
私は”何を”しているのか?
そんなことを考えてしまうお話でした。是非、読んでみてください。
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