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フリッパーズ・ギターで1番人気の曲は?(アンケート結果公開・前編)

1989年のデビューから30年が経過したフリッパーズ・ギターについて、2019年の秋頃にアンケートを実施いたしました。

この企画は、Twitter上で10代-20代の若いユーザーがフリッパーズを話題にしているのをいくつか見かけて、彼らはフリッパーズをどんな風に感じているのかを知りたくなったところから始まりました。

せっかく沢山の方に回答いただけたにも関わらず個人的な事情により公開が遅れてしまい本当に申し訳ありませんでした。


アンケート概要

目的:フリッパーズ・ギターが活動した1989年~1991年から、30年が経過したこの機会に、ファンにとってフリッパーズ・ギターがどんな存在なのかを確認するため。
調査期間:2019年10月30日~2019年11月15日
調査方法:Googleフォーム
有効回答人数:198名

アンケート結果

回答者の年齢

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・回答者の約8割はリアルタイムと思われる世代
→ 30年も経ってもまだこんなアンケートに回答してしまうほど、フリッパーズはリスナーに大きな影響を残していると言えそうです

・10代(後半)は8人、20代は11人で、全体の10%
→ 若いリスナーもちゃんといて嬉しいものです


フリッパーズと出会ってからの期間

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・10年未満の人が13%。うち5年未満の人は7%
→ 未だに新規リスナー増えています

初めて聴いたフリッパーズの曲

※カッコ内は回答数
1 恋とマシンガン(96)
2 Hello(24)
3 Friends Again(16)
4 カメラ!カメラ!カメラ!(15)
5 不明(6)
6 Goodbye,our Pastels Badges(5)
7 GROOVE TUBE(3)
8 Joyride(3)
9 LOVE TRAIN(3)
10 バスルームで髪を切る100の方法(3)

・半数以上が「恋とマシンガン」と回答
→ やはりヒット曲を持つことの重要性を感じます。リアルタイムでは当然ですし、その時リスナーになった人の中には10年後20年後、仕事で決定権を持つ立場になりCMなどの曲に起用した、というような長期スパンでの影響もありそうな。

フリッパーズを知ったきっかけは?

※カッコ内は回答数
1 友人・恋人・家族から(42)
2 予備校ブギ(41)
3 雑誌・音楽書籍(25)
4 小沢健二から(17)
5 店頭(13)
6 ラジオ番組(12)
7 テレビ番組(11)
8 コーネリアスから(7)
9 渋谷系のルーツとして(5)
10 テレビCM(4)

・最多は「友人・恋人・家族から」
→ つまりその人にとって「誰かに教えたくなるほど良かった」ということだと思います

・1990年のTBSドラマ「予備校ブギ」の主題歌で知った人が約4分の1

・オザケン、コーネリアスから遡った人も合計で15%ほど

・10代-20代の方は、「友人・恋人・家族から」と「オザケンから」「渋谷系のルーツとして」がほぼ同じ割合の数でした
→ 10代の回答者にはリアルタイム世代だった親の影響もありそう

・少数回答として「渡辺満里奈から」「50歩100歩(高野寛ラジオ番組)で聞いた」など

・音楽雑誌の内訳では「宝島」を上げる人が最多

以下はフリーコメントを抜粋

・10代女性:「デザインあ」 から小山田圭吾を知り、彼について調べた結果辿り着いた。

・20代男性:自分の生まれ年について気になった→ 90年代文化に傾倒→ 小沢健二を知る→ YouTubeの関連動画でフリッパーズ・ギターを知った

・40代女性:当時よく読んでいた「PATI-PATI」で大好きなユニコーンのことを馬鹿にしていたのでなんだこいつらムカつくー!と調べはじめたらいつの間にか好きになっていた。

・40代男性:レンタルCD屋さんで「カプチーノもいいけど、コーヒー牛乳にくびったけな君へ」という1stの帯コピーを見て

・40代男性:弟がラジオでたまたま聴いていて、それをたまたま録音してあって、「珍しい日本人アーティストが居る!」と興奮して教えてくれた。

・40代女性:NHKの「JUST POP UP」で聴いて気になっていた頃に、友達から「夢に小山田くんが出て来て、今とても気になってるんだ」と告白されて一緒にCDを買いに行った。

・40代男性:大学の先輩が「高校の同級生がデビューするんだ」と。

・40代女性:友達が「好きだと思う」とカセットテープを貸してくれた。いまは連絡を取っていない友達だけど、教えてくれたこと、感謝してます。

・50代女性:新宿の帝都無線(レコード店)でジャケと目が合った。

・50代男性:FM横浜の渡辺満里奈の番組のエアチェックテープで(選曲はソニーの出口マネジャー)。

・50代男性:1988年頃、武蔵野美術大学の学生がやっていたJAZZBONESというバンドのライブを観に行った時の対バンがLollipop Sonicだった。ただその時は、Lollipop Sonicの出番の時はライブハウスの外で友達と喋っていて、出番が終わる寸前ぐらいしか観て無くて、その時の自分を殴ってやりたい…。

初めて聴いた時の感想

僕が初めて聴いたのは「恋とマシンガン」で二人のことを何も知らないだったので「このジャズヴォーカルのデュオ、イントロが格好いい!」というものでした(笑) よく言われるような「お洒落な音楽」とは感じたことはなくて、普通に「メロディアスで格好いい音楽」くらいの印象でした。



以下はフリーコメントを抜粋

・10代男性:「恋とマシンガン」 あっ!これ聞いたことある!こんなにオシャレで楽しい曲だったのか!と思いました

・10代女性:小山田圭吾のファンタズマ・ポイントから入った人間なので、同じ人が作ったとは思えないという印象を抱いた。

・10代女性:「恋とマシンガン」 聞いたことがない疾走感と声の少年らしさに衝撃をうけた

・20代男性:「恋とマシンガン」 オシャレだし全然古く感じなかった。

・30代女性:「恋とマシンガン」 ぎゃー!なにこれ!かわいいおしゃれ。これ分かるの自分だけかも。

・30代男性:「BLUE SHININ' QUICK STAR」 夢みたいな音楽だと思った

・40代女性:「Hello」 忘れもしない、高1のGWに聴いたファーストアルバム、Helloのイントロを聴いたときから、ほんとに稲妻が走ったように衝撃を受けた。そこから人生がはじまったような気がするほど。私の青春のすべて。

・40代女性:「カメラ!カメラ!カメラ!」 クールさと熱さの同居、爽やかさと切なさの同居が最高にツボだった。

・50代男性:「Papa, Boy, and I」 デビュー前のデモ音源で聴きました。当時ライブハウスで洋楽、それもイギリスっぽい音を出していたバンドはどれもEcho & the BunnymenとかU2、The Policeみたいな感じだったので、Lollipop Sonicのようなキッチュだけど凄くスタイリッシュなサウンドは本当に新鮮だった。

一番好きな曲

・「午前3時のオプ」は人気あるだろうなーと思ってましたが、「SLIDE」が個人的には意外でした。

・1位、3位、5位がなんと小山田さんが一人で作曲したとされる「午前3時のオプ」「パステルズバッヂ」「ビッグ・バッド・ビンゴ」でした。小沢さん一人で作曲したとされる中では「恋とマシンガン」が最高位で、次は「カメラ!カメラ!カメラ!」「全ての言葉はさよなら」でした。

カッコ内は投票数
1 午前3時のオプ(31)
2 SLIDE(13)
3 Goodbye,our Pastels Badges(12)
4 GROOVE TUBE(11)
5 ビック・バンド・ビンゴ(11)
6 恋とマシンガン(10)
7 The Chime Will Ring(9)
8 THE QUIZMASTER(9)
9 ラブ・アンド・ドリームふたたび(8)
10 青春は一度だけ(8)
11 DOLPHIN SONG(6)
12 バスルームで髪を切る100の方法(6)
13 カメラ!カメラ!カメラ!(5)
14 選べない / 全部好き(5)
15 GOING ZERO(4)
16 THE WORLD TOWER(4)
17 全ての言葉はさよなら(4)
18 BLUE SHININ' QUICK STAR(3)
19 Friends Again(3)
20 LOVE TRAIN(3)

以下は好きな理由のフリーコメントです。

・10代男性:「午前3時のオプ」 ハードボイルドな曲調と巧みすぎる歌詞。とくに「手のひらの傷いつか消える 僕たちは膝ついて祈る」のところ。この曲からフリッパーズにハマっていきました。

・10代男性:「カメラ!カメラ!カメラ!」はじめて聴いたフリッパーズの曲だし、カラオケで歌いやすいから。

・20代女性:「午前3時のオプ」17歳の不可侵な神聖さのようなものが刺さる。
・20代女性:「The Chime Will Ring(live)」刹那的な青春の焦燥感と勢いにあふれていて、どうしたってあの頃の2人にしか生み出せないものだから。

・20代男性:「ラブ・アンド・ドリームふたたび」 牧歌的でシンプルな曲調と、2重3重にひねくれた歌詞とのギャップ。「今何時か知ることより時計の中を開けて見てみたいから」というフレーズのかっこよさ。ギターアンサンブルとツインボーカルの完全なハーモニー。

・40代男性:「全ての言葉はさよなら」当時は意識していなかったけど、聴くと現実逃避できるから好きだったのかなと思います。中学生の頃の春休みの気分にさせてくれます。

・40代男性:「午前3時のオプ」 17歳の頃に感じたもどかしさ、苛立ち、諦め、希望、全てが生々しく思い起こされるから。

・40代女性:「SLIDE」 不思議なハーモニーや曲の展開が最初は変な曲だなあって思ってたのが、だんだんものすごく心地よくなって一番好きな曲になった

・40代男性:「THE QUIZMASTER」選べません…が、強いて挙げるなら「THE QUIZ MASTER」。終焉の美学のようなものを感じる。初めて聴いた時は解散するなんて予想だにもしなかったけれど。

・50代男性:「Goodbye,our Pastels Badges」フリッパーズの魅力は「アドレセンスとイノセンスが終わる瞬間が永久に保存されていること」だと捉えていて、この曲はその象徴に思えるから。

フリッパーズを聴くとどんな気分になりますか?

実はこの質問のみんなの答えを知りたくてアンケートを実施したところがあります。

・10代男性:夢心地

・10代女性:全く種類の違う(これは解散したからこそ言えることだが)二つの音楽性の融合に、不思議な気分になる。コードや楽曲そのものとしてはありふれたものかもしれないが、そこに二つの確固たる心情があり、奇跡的な相互作用を起こしてできた唯一無二の楽曲たちにある意味で畏敬を感じることもある。

・20代男性:難しいですね。自分は寂しさとウズウズした情熱が同居した感じ?です。表現が下手ですみません。

・20代男性:社会に対する反発心を覚えながらも、社会に対する無力感も感じる。

・20代男性:気分が明るくなる、お出かけしたくなる

・20代男性:あ…俺オシャレだ…と戦慄する。

・30代女性:いつも思春期に戻ってしまう‥胸がキュッとなってしまう。もうもどらない、だから愛おしい、そんな気持ち。

・30代男性:楽しい、嬉しい、悲しい、寂しい。複雑な気持ち。胸がキュンとします。

・30代女性:まだ二人が若くて一生懸命作った曲だなー、とまるで母のような気持ちになります。

・30代男性:趣味が良くてカッコよくて腹が立つんだけど憎めないクラスメイトに自分がなれたような気分。

・30代女性:10代後半や20代前半に聞いたときは青春の高揚感を感じたけど、今聞くと、心や温度はあの頃に戻るけれど、あやまちや眩しさを思い出しつつ肉体と時間は戻れない切なさで感傷的なきもちになる。

・30代女性:泣きたくなるし、高揚する。気ぃつかいの疲れる日常を軽くぶっ飛ばしてくれるような、価値観を揺さぶられるような。とにかく10代後半の多感な心に響きわたった。

・40代男性:現実を忘れさせてくれて良い気分になります。こんなに格好いいものがあるんだと誰かに教えて回りたい。

・40代男性:純粋に詞や曲の良さを感じて気持ちよくなれるし、懐かしさという意味ではなく「あの頃」に戻れる。

・40代女性:平凡な日常が上質なものに感じられる気分になる。

・40代女性:ワクワクと切なさが同時に溢れる

・40代男性:甘酸っぱくも小っ恥ずかしい気分。20代の自分に戻る。

・40代女性:言い方が難しいですが、自分自身や周りの空気や空間が磨かれたというか、洗練された感じになる。オシャレして、ウキウキしてるような感じ。賢くてセンスの良い人になったようなw。

・50代女性:懐かしくて泣きたい気持ちになる

・50代女性:音楽的高揚感と満ち足りた気持ち

・50代男性:当時を思い出します。1989〜1991年当時の、自分が住んで体験して感じた実際の東京と、雑誌PopeyeやOliveの中にある東京、の両方を想い起こさせられますね。

・40代女性:アーティストの中で一番好きなので、癒しでもあり、活力でもある。一番聴いていた短大生の頃の、好きなことへの忠実さと貪欲さ、将来が見えない中の微かな不安と、若さゆえの希望と傲慢さが入り混じった、色でいうと透明なブルーグレー。自分自身に戻れるイメージです。

・40代男性:ヘッド博士の持つ絶望と決意みたいな世界観は自分に寄り添ってくれてる気がして安心します。

・40代女性:胸に溜め込んでた鬱憤がポップにじゅわっと湧き出る感じ。

・40代男性:自分の今の音楽的志向の大部分を決めた懐かしさを感じるとともに、当時20歳くらいの青年達が作ったとは思えない曲の完成度の高さに鳥肌が立つ。

・50代男性:聞いている間だけ、その歌詞に共感して歌ってしまう。でもその後はしばらく聞けなくなります。

・40代女性:懐かしい、でもいつでも新鮮。ちょっぴり切ない気分になる。刹那って言った方があってるかも。

・40代女性:初めてフリッパーズを知った子供の頃の自分を思い出したりもしますが、曲のクオリティの高さに驚くばかりです。80年後期から90年初期にこんなレベルの高いことやってたのか!と・・・。令和に流れても古さは感じません。

・40代女性:楽しくなったり切なくなったり苦しくなったりぐるぐる。

・40代女性:当時の良い思い出も悪い思い出も押し寄せるので、心身ともに元気な時しかきけません。でも90年代に戻ってみたいと思う。

・40代女性:少し毒の混じったカクテルを飲んでいる気分。ふわふわとして甘いのに、実はそこには飲んでも分からないような毒が仕込まれている感じ。

・30代男性:途端に世界がキラキラと色彩を帯び、自分までキラキラとした存在だと錯覚する魔力があります

回答いただきましたみなさまには、改めてお礼申し上げます。ありがとうございます!
※アンケート結果は後編に続きます(準備中)

【フリッパーズ・ギターのファンジン】
1,500部以上売れている、ヘッド博士をリアルタイムで聴いていた音楽ファンの記憶を記録したZINE。僕も編集と執筆で参加させていただいてます。ヘッド博士と1991年のフリッパーズが当時どのように受け止められたのかが分かる、当時の若者たちの貴重な証言が溢れています。

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https://doctorhead.base.shop/items/47593385

Twitter https://twitter.com/TeruiHafu

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