ヘルシンキでのカーシェアリング事情
ご無沙汰しております。Terryです。
社会人になってから、更新頻度がすっかり下がってしまっておりました。
ヘルシンキには今年の春に再び訪れたのですが、ヘルシンキ駅前に図書館ができたり、Pasila駅付近の再開発(通称Uusi Pasila, 新しいパシラ)が加速していたりと、街並みはどんどん変化していました。
オシャレすぎる新図書館。3DプリンターもMTGルームもある
また、アールト大学の学生がよく利用する、Westendからアールト大学経由でヘルシンキ東部へ現在運行されている550バス(通称Trunk Route)を代替するトラムの計画も進むなど、公共交通も拡張計画が進んでおり、他のヨーロッパの都市と同様に、鉄道、バス、トラム、地下鉄だけで大体どこでもいける状態になっています。
しかしながら、深夜帯や少し郊外に出ようとすると、なかなか移動が難しいのも現実です(深夜帯は一部でNバスが走っていますが、時間に一本程度で、極寒の冬のヘルシンキでは厳しいです‥)。
そんな中、ヘルシンキの中・長期滞在者おすすめなのが、DriveNowというサービスです。
DriveNowとは
日本でいうところのTimes カーシェアと似たようなサービスで、1分あたり€0.57(日本円で80円程度?)で借りることが可能です。
BMWがスポンサーとなってやっているので、BMWの電気自動車i3や傘下のMINI、さらにはフォルクスワーゲンの車両なども多数選べます。
ヨーロッパですので、マニュアル車の方が割合としては多く、オートマ車(電気自動車含む)は4割ぐらい、という印象でした。
事前に免許などの登録が必要ですが、その後はスマートフォンのアプリから車を指定して解錠し、利用後は再びアプリから施錠して終了です。
Hi, I'm Elina.
なぜかそれぞれの車に名前がついている
日本のTimesカーシェアなどと異なるのは、乗り捨てが可能ということと、駐車禁止でなければ路上駐車での返却でも良いことです。
夜間など、大学や会社から家に帰る際にも使うことが可能です。
冬季は、もちろん全車スタットレスタイヤ装備です。また、寒冷地仕様車しかありません(フィンランドではおそらく全ての車がそうです)。吹雪の中高速を走って家に帰ったこともありましたが、全然問題ありませんでした。
料金体型
2019年10月現在、料金体型は以下のようになっています。
登録料:€30(初回登録時)
通常レンタル料金:€0.57/分
駐車料金:€0.3/分
夏季オープンカーレンタル料金:€0.69/分
特別料金:ヘルシンキ空港から/への場合は、通常料金に追加で€7.9
注意点としては、借りてから返す間に、駐車している場合も料金がかかるという点です。
ただ、駐車というのは、他人に予約されないようにその車を予約しておくような機能ですので、シェアカーが周囲に多数あってどれでもいい場合であれば、駐車状態ではなく一旦シェアリングを終了しておくのをお勧めします。
また、15分以上先の利用を予約する事前予約にも料金がかかります。
ですので、DriveNowは名前の通り「今乗りたい」という時に使うのをメインにして、旅行などに使う場合はレンタカーを借りた方が良いと思います。
登録方法
前提として、Residence Permit(在留許可)を保持している必要があります。Permanentである必要はありませんが、全体で半年以上の在留が必要となります。
また、もちろん自動車免許も必要です。日本の免許に加えて国際免許か、日本の免許の翻訳(在フィンランド日本大使館が作成したもの)が必要になります。なお、半年以上フィンランドで運転すると現地免許を得られるという話も聞きましたが、やっていないので不明です。
僕の場合はAT限定ではなかったので不明ですが、AT限定の場合は運転できる車種が限定されるのかもしれません。
登録自体は、ウェブサイトから行います。フォームに必要事項を記入し、送るだけです。ただ、日本の免許の翻訳を送ったので、フォーム送信後、運営側からResidence Permitや日本の免許、パスポートなどの写真を送るようメールが送られ、それに従ってメールに添付する形で返信して、手続きが終了になりました。なお、登録料はクレジットカードからの引き落としでした。
今もやっているかはわかりませんが、Instagramの広告などから経由して申し込んだ場合は、登録料がかからないキャンペーンなどもやっていたので、今すぐ申し込む必要がない場合は、そのキャンペーンを狙ってみるのもいいかもしれません。
出発から返却までの流れ
出発から返却の流れは、とても簡単です。
1. アプリで予約する
近くにある車を探します。なお、「0」と書いてあるのは一台も車が止まっていない駐車場です。また、時々でてくる「%」と書いてある車は、割引になっている車なのでお得です。
2. 予約します
AT/MTの別、ガソリンの残量などを確認して予約します。
すると、カウントダウンが始まりますので15分以内に車のところへ向かってください。
アプリ上で、車までの行き方を教えてくれたり、
ヘッドライトをつけてどの車か確認することもできます。
3. アンロックして車に乗り込み、車内のナビに暗証番号(入会時に設定)を入れます。
4. エンジンをかけ、出発します
5. サービス提供エリア内で、かつ駐車禁止でない路上(看板で終日駐車可能な場所、ヘルシンキ中心部の赤枠エリアは除く)か、指定の公共駐車場に返却する
ここが一番トリッキーな場所でした。
ウェブサイトでも解説されていますが、複雑怪奇な駐車ルールをマスターするのは至難ですが、変な場所に返却すると罰金を取られる場合があるので気をつける必要があります。
簡単に解説すると、返却可能な場所は以下の4つです。
①アプリで指定されている駐車場
これが一番安全です。
モバイルアプリ上で数字の上に屋根のようなものがついている場所が、DriveNowを駐車、返却可能な駐車場になります。ぼくはほとんどここに返していました。
②2h以上駐車可能なP
路肩などで、時間指定で駐車可能なスペースが表示されていることがありますが、2時間以上止めてもいい旨の表示がでている場所なら問題ありません。Pの看板の下に補助標識で時間が表示されています。
③Zゾーン
駐車禁止の場所でも、補助標識に "Ei koske P-tunnuksella: Z"、翻訳すると「Zには適用されません」と書かれている謎の場所があります。Zが何なのか不明ですが、ここは止めることが可能です(やったことはありません)。
④居住者用パーキング(カテゴリA-O)
この辺はもう理解できませんが、ヨーロッパでよくあるタイプの看板です。居住者なら駐車用タイマーを出しておけば止められる、という場所に返しても良いようです(やったことはありません)。
いずれも、以下のリンクに細かく記載されていますので、初回利用前にしっかり読んだ方が良いと思います。
まとめ
このサービスのおかげで、夜中まで飲み会などで大学で残っていても高速道路(フィンランドは無料です)を使って10分ぐらいで家まで帰れました。冬季であれば道路も基本的にはガラガラで、渋滞なんてありませんでした。
※フィンランドでは少しの飲酒での運転は認められていますが、僕は飲んだら運転しないようにしていました。あくまでフィンランド人基準であって、危ないので…。
MINIでマニュアル車の練習もできたので、普段の生活の中でいい息抜きにもなりました。
なお、もちろんですが、フィンランドは右側通行ですし、制限速度や交通標識、運転マナーなどがだいぶ異なります。そのあたりをマスターしてから乗るようにしましょう!(この辺りも後日まとめます)
とはいえ、レンタカーを借りるよりだいぶ手軽なサービスです。これからの冬に向けて、ぜひご活用ください!
フィンランドのこと、アールト大学のことをより知ってもらうために書いてます。応援していただけるととても嬉しいです。