没った短歌いくつか

うららかな週の初めの轢死体軌条に咲きし柘榴翳りぬ

ほろほろと脂の溶ける夢だった 寝惚け眼でもやしを鍋へ

ビロードの裏についた粉糖を舐めながら射手座の音楽を聴く

僕ら皆雑に切られた千歳飴 角もやがては溶けてなくなる

唖抱き 斃れしひとの うつくしさ 開かぬ唇 ただひとつの詩

「だからさあ もう終りなの わたしたち。」白き吐息の充つ句読点

(毎日歌壇に応募して落ちたやつです)

延命に使わせていただきます