12/11 雨の日の煙草

 久々に雨の日に外で煙草を吸った。


 特に銘柄を決めているわけではなく、煙草を切らして吸いたいなとなった時に街の煙草屋やコンビニに行って1箱買うといった感じ。なんでカートンで買わないのかというと、味を意識せずにニコチンだけを求めて吸うようになってしまいそうだからで、たまに不味い煙草に当たるとガッカリする半面吸うペースが遅くなって嬉しいという気持ちになるようにしている。今のところ一番好きなのはキース・マイルド・アロマローストだが、この前喫茶店で吸ってたら臭いがキツいからやめてくれと店の人に怒られてしまった。鼻が詰まりがちなのでそこまでキツい臭いだと思っていなかった。世知辛い。


 いま吸っているのはロングピース。ぎりぎり1箱ワンコインを耐えている銘柄の一つだ。アメスピが500円超えているのを見てぞっとしてしまった。本当にたばこ税ばかりあげるのは良くないと思う。何故良くないのかというとこの税率にもなってまだ煙草を吸っているのは終わった野郎ばかりで、終わった野郎にさらに課税すると終わった野郎たちはさらに終わってしまう。終わった野郎たちは終わった税率の煙草を吸い続け肺と財産を使い潰して死に、結果として国は野郎たちから取れたであろうスズメの涙の様なたばこ税ばかりでなく、所得税や消費税まで失うのだ。それはそれとして今最もアツい課税は顔面税で、これは諸国様々なイケメンとされる顔の画像データを用いて「イケメンとは何か」を学習したAIに免許証などの証明写真を読み取らせ、イケメン度に応じて税を課すのである。終わった野郎たちの顔面が終わっている事は自明なので、これとたばこ税の組み合わせで真に平等な税制が実現みたいなことを考えていたら半分くらい吸い終わっていた。


 副流煙の健康被害などを考えてだろうが、僕の通っている大学には「卒煙支援ブース」なる喫煙所が設置されている。最初にパージを「卒業」という風に言い換えたのは誰だか知らないが、今世紀最大の言葉のマジックだと思っている。なんか「卒業」って言っておけばいい雰囲気が出るっていうのも少し考えてみればおかしな話で、あれはつまり人生の絶頂期を中学生高校生の学校生活に設定し、クライマックスつまり卒業を神聖化しているから漫然と「卒業」と聞くと沸き上がる抒情にやられてしまう人々が一定数いて、その習性を利用しているわけだ。まあ最近では「卒業」レトリックの正の効力も大分落ちてきていて、「結局ごまかしだよな」って雰囲気が共有されてきてる感じがするんだけど、そもそも青春ファシズムが良くない。終わっている野郎たちの青春時代を掘らないであげて欲しい。ダメだぞ。煙草のもたらす健康被害くらい良くない。禁煙ファシズムについては書くと色々なものを引き寄せる可能性があるので各自の自主学習とします。


 といったことを考えていたら1本吸い終わったので話はここで終わる。雨の匂いの混じる煙草もいいものだ。

 


延命に使わせていただきます