12/21 愛、完全に理解した

 どういうことかというと、『存在の耐えられない軽さ』を再読したという話ですね。

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 「その他の外国文学作品」だとまだベストセラー1位なんだ、怖……

 みなさんも本読んでたら数冊は読み返す本があると思うし、なんなら基本的に読み返す本しか買わない人が多いかもしれない。あとは今はAmazonの Kindle Unlimitedとかあるしな。もっと手軽に爆買い爆積読をやってるのかもしれない。俺は基本物理本です。

 『存在の耐えられない軽さ』には恋愛をやっていく男女がメインで4人いるんだけど、この4人の関係性だけで恋愛のほとんどすべてが学べる。唯一、本当に本当にモテない奴要素が足りないんだけど、それはミシェル・ウェルベックの『闘争領域の拡大』を読んで補えばいい。個人的には脇役2人の細やかなすれ違いを辞書のように綴っている章がいい。

 小説としてはかなり説教臭く感じるかもしれない。ものすごい箴言体を使うし哲学的なエッセイがしばしば私(筆者)によって展開されて面喰いそうになる。あとこれは仕方ないんだけどチェコスロバキアとソ連を巡る政治の記述がガッツリあるのでそれが苦手な人は苦手かもしれない。後半特に主人公のトマーシュが唐突に政治に目覚めたみたいに見えるっちゃあ見える。俺は全部好きだけどな。

 そういう要素を差し引いても本当に丁寧な心理描写をねちねちねちねちと連ねて書かれている(実際恋愛パートで地名などの固有名詞はほとんど出てこない。各人の心模様が解剖のように書かれる)。

 恋愛に迷う人は一回読んでみて損は無いと思う。「ああ~……(諦念)」という感じになる。僕はモテないのでトマーシュより脇役のフランクが好きです。幕引きが良い、ほんとに良い……

 ただ本を紹介して終わってしまった。今日は久しぶりに読めたし遠出もしたし満足度が高かった。

延命に使わせていただきます