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不登校からひきこもりになる?!

ひきこもりと認識するのは

「ひきこもり」になる人は、どういう原因でなるか。
実は、中学時代から不登校になる人は、18.1%です。(2022年度子ども若者の意識と生活に関する調査)
この数字をみて、不登校からひきこもりになるケースもあると言えます。
私は、この数字を見て、不登校になろうがなるまいが、条件がそろえばみんな不調になっていくと見ました。
ひきこもりになった原因で一番多かったのは、退職(21.5%)、そして人間関係(20.8%)です。他にも職場になじめない(11.1%)、就活がうまくいかなかった(10.4%)と就活から退職までのあらゆるタイミングがひきこもりの理由としてあげられています。
こう考えると、学校には行っていたとしても働く段階になって不調になっていく様子がうかがえます。
前回の調査(2015)で多かった病気・怪我は、コロナの流行(18.1%)、病気(11.8%)となっています。確かにこの数年、コロナ禍になって、いわばひきこもりを社会全体が推奨していたわけですから、今回の調査は非常に難しさを感じます。
ひきこもりと周りが認識するのは、数日から数週間というのはまれではないかと推測しています。就職活動、就労中、退職してまもなくはいろいろ動きます。ご家族も、成人していますから本人に任せている部分も多いでしょう。そんなこんなしているうちに、家にいる期間が長くなっていきます。もうそろそろ次に向かって動かないと、と思うのは2-3か月過ぎてからなのかもしれません。あるいは年単位という場合もよくあります。気づいたら3年経っていたということはざらにあります。

不登校は、学校という場のストレスがきっかけ

本当に1人ひとり不登校になるきっかけは異なるのですが、「学校に行けない・行かない」というわけですから、学校でのストレスがあることは間違いありません。
ときどききっかけは学校だとしても、不登校になるのは家庭が原因だと学校関係者や教育関係者の方が主張しているのを見ますがそれは責任転嫁をしているだけです。
今の学校はあまりに集団生活を強調する(クラス運営、学習の進度など)ので、子どもたちも集団圧力が強くなりすぎています。
子ども1人ひとりには、個性や特性があるのが当たり前です。それとクラス内との関係性に不登校になる原因の多くはあります。集団の中にいるということは、自分を抑制する必要がありますし、他者の話を集中して聴くことができないといけません。そして他者を行動や発言を認めていく発言をしていくことも求められます。しかし他者を認めるということは自分も認められなければできないものです。30人超いる自分以外の1人ひとりと関わることは難しい、というかほとんどできません。集団の中の1人ひとりと関わるということは、先生を通して間接的につながっていくことがほとんどなのです。ここに先生の力量が出るところなのですが、先生がこの点を意識できていないことが本当に多いのです。ですから子どもがクラス内に居てもいいんだという「居場所」のような感覚が育つことがありません。
学校のストレスがあるので、子どもは学校に行きたくなくなるのです。

ひきこもりは、社会との接点が家族だけという状態

不登校は、すくなくとも所属として学校があります。家庭と学校と二つはあることになります。
ところが、ひきこもりの状態になっているということは、所属がないことがほとんどです。ですからひきこもりについて改善を目指すのであれば、社会との接点をもう一度つくることになります。
それをご家族だけの力でできるのは相当ハードルがあります。ご家族は、社会とつながりが当たり前にある状態で、子どもがどうしてつながることができないのか、さっぱり分からないからです。ひきこもりという状態そのものが理解できないのです。
子ども・若者の立場で言えば、ひきこもりからもう一度どうしたら社会との接点をもてばよいのか、道筋が全く分からない状態なのです。人生の目標、欲求(所属、物欲、人間関係など)、社会の中での役立ちたいなどなければ社会に出ていこうなどとは思えないのではないでしょうか。このような意識をもつことは、集団や社会の中での成功体験、認められる体験がなければ育たないはずです。そういう体験が圧倒的に不足しているため、社会とつながることに勇気が出なかったり、行動したいという気持ちにならないのです。