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シリーズB投資家対談 Vol.1 | 官民ファンドJOIN取締役波多野氏×慶應大学院SDM研究所顧問中野氏×TD代表取締役徳重 『ドローン/空飛ぶクルマの現在地とTerra Droneのグローバル展開』


この度、3月23日にTerra Drone株式会社は、シリーズBで総額80億円(注)の調達を発表いたしました。今回調達した資金を活用し、安全で効率的な空の移動を支える「空のプラットフォーム」UTM技術の開発、各事業成長資金、本活動を実現するための採用活動への投資を行います。

今回、国交省との官民ファンドである株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(以下、JOIN)の取締役である波多野様、空飛ぶクルマ産業黎明期の頃から同産業の研究されてきた、慶應義塾大学大学院 SDM研究所 顧問の中野様、そして弊社代表取締役社長の徳重の三者対談を実施いたしました。

(左から徳重、波多野様、中野様)

<登壇者 >
□波多野 琢磨 様(株式会社海外交通・都市開発事業支援機構 取締役)
□中野 冠 様(慶應義塾大学大学院 SDM研究所 顧問)
□徳重 徹(Terra Drone株式会社 代表取締役社長)

1.支援のきっかけ

JOIN様は海外のインフラ事業への投資を主な事業とされていらっしゃいますが、今回なぜご支援いただくことになったのでしょうか?

波多野様)
我々JOINは、海外において交通や都市開発といったインフラ事業を進める日本企業を支援する、国交省傘下の官民ファンドです。同産業において、DX推進やデータベースの利活用が急速に進んでいく中で、ビジネスモデルも変化していきますので、日本企業も世界のデジタル変革に対応していく必要があると考えています。そんな中で我々がTerra Drone社を支援した理由は主に2つあります。

1つ目は、日本政府が唱える「インフラシステム海外展開戦略2025」において、本件がデジタル技術・データの活用促進の重点分野に該当している点です。つまり、国の方針と同社が進める事業が合致したということです。2つ目は、Terra Drone社の取り組む事業とその可能性が、JOINのコンセプトにマッチした点です。今回のドローン事業に関しては、設計、建設、メンテナンス等の各段階で活用することが可能です。設計・建設の面では、三次元設計に生かすことができますし、メンテナンス面では、無人での点検や警備が可能になります。

今回の出資は、ドローンのオペレーション実績を踏まえたTerra Drone社の知見と、ユニフライ社(本社ベルギー)が開発をすすめるUTM(無人航空機航空管制システム)の一体化を推進できるものと考えており、我々は本出資をソフトインフラの開発支援と捉えています。また、世界のインフラ市場はコンスタントに発展していますが、これまで日本企業は同市場において非常に遅れをとってきました。しかし同社の取り組みは、日本企業がドローン分野で国際競争力をつける大きなチャンスと考えられましたし、日本企業の支援自体、我々JOINのミッションでもございます。

徳重)
UTMというドローン産業のプラットフォームとなる事業であり、我々Terra Drone社は、ユニフライ社(本社ベルギー)の筆頭株主です。今回は同社の事業成長をさらに促進するために、JOIN様にご出資いただきました。本出資は、JOIN様にとって、エアモビリティ含む航空システムにおいてのスタートアップ企業としては初の出資であり、日本のスタートアップ界にとっても画期的なものだと考えております。

(波多野様)

2.運航管理システムについて

インフラという文脈でご質問させていただくと、「空のインフラ」と言われる運航管理システムの必要性と現在地について教えてください。

中野様)
まず大前提、UTMはドローンの航空管制システムであり、空飛ぶクルマの航空管制システムは正確にはUTMとは別物です。そのうえで、空飛ぶクルマ産業においては、空飛ぶクルマ同士だけでなく、空港における旅客機や一般の離着陸場でのドローン、災害救助用のヘリコプター等が衝突しないように、空港での航空管制システムATMやドローンの航空管制システムUTM、災害救助用のD-NET等と連携していく段階というのが現在地です。

そうした背景を前提として日本と海外を比較しますが、まずアメリカであればNASAやFAA(アメリカ連邦航空局)、ヨーロッパのEASA(欧州航空安全機関)等は、積極的にエアモビリティ産業に関するコンセプトをレポートとして公開しています。しかし、日本の国交省や航空機関はそうしたレポートをまだ公開していないため、世間の人々が海外から情報収集しているという状況なので、海外が進んでいるというイメージが付いているというのが現状です。ただ、日本においては、災害救助や離島間の移動という日本ならではのニーズもあり、議論は進められている状況ですので、国として技術的に遅れているという印象はありません。ただ、同分野において世界をリードするような企業が現時点でいないという点では、遅れているという捉え方をすることもできます。

有人機である空飛ぶクルマやヘリコプターと、無人機であるドローンが混在するシステムは非常に複雑度が増します。例えば、自動運転の自動車と手動運転の自動車が混在するとルールやシステムが複雑化するのは容易に想像できます。こうした点では、空飛ぶクルマを含む統合的な空の管制および運航管理システムは難しい技術です。そのため競争環境としては、既に空港での航空管制システムで実績・技術を持つグローバル企業が参入してくると思いますが、国内の事情に合わせるため国内企業との連携が必要で海外で実績が豊富であるユニフライ社を関連会社にもつTerra Drone社は現時点で優位にあると考えられます。

徳重)
日本やアメリカと違って、ヨーロッパの航空管制局は半官半民体制である場合が多いので、新技術の導入というのは格段に早いです。実際にヨーロッパの約10か国において、ドローンのUTM技術がそれらの機関に導入されており、ユニフライ社のUTMはドイツやカナダ等8か国で導入されています。ユニフライ社にはドイツの国交省傘下の航空管制機関も出資しており、我々も毎週彼らとミーティングを重ねている状況です。つまり我々の強みはそうした世界各国の当局と構築してきた深い関係性であり、エアモビリティ産業がこれから勃興していくにあたって、非常に良いポジショニングができていると思っています。

日本におけるUTM領域に関しては、データ取得や実際のインストールの部分で課題はあると思いますが、海外で培った知見をもとにご支援できればと思っております。

(左:徳重、右:中野様)

3.レベル4解禁とは

今年予定されているレベル4(有人地帯における目視外飛行)解禁は、これからのエアモビリティ産業にどのような影響を与えると思いますか?

中野様)
これまで離島間の物流等が自動化されることに期待がありましたが、ドローン分野におけるレベル4解禁によって、今後人家が密集している地域でドローンが活用できれば、、さらに、社会的コスト削減がさらに実現されると思います。その普及には社会受容性が鍵だと思います。

波多野様)
そうですね。離島や山間部などの過疎地域にドローンを活用できれば、地域活性化の観点からも社会的意義は大きいと思います。また、都市部におけるドローンが自動で飛行できる状態が形式上は許されるわけですが、それにはやはり運航管理システムが必須です。海外では軍需産業もあいまって開発スピードが早いですが、日本もそれに遅れることなく開発していく必要があると思います。

4.ユニフライ社との連携

我々がユニフライ社と連携を強化していくことは、社会に対してどのような影響を与えるとお考えでしょうか?

中野様)
国際標準を作ることにおいては、アメリカとヨーロッパが強いのが現状です。そのうえで航空管制システムにおいては、ヨーロッパはドローンベースで同システムを開発していこうとしている一方で、日本とアメリカは、航空機をベースにシステム構築していく方針のように見えますので、その分ヨーロッパの方が技術的進展は早い可能性があります。そういう面で、ユニフライ社を通じてUTMの知見と実績を蓄積しておくことは、空飛ぶクルマがより現実的になった時の迅速な適応に繋がるだろうと思います。

徳重)
スタートアップ界隈の観点から申しますと、既に宇宙領域でのスタートアップ企業は出てきていますが、地上と高空域の間、つまり低空域・中空域マーケットにおけるスタートアップ企業は非常に少ないです。ここで新しい産業が生まれる可能性は大いにありますし、宇宙領域よりも取り組みやすい分野だとは思いますので、この領域からスタートアップ界を盛り上げていきたいと思います。

5.Terra Droneについて

Terra Drone社への評価はいかがでしょうか?

中野様)
先ほども申し上げましたが、やはりユニフライ社を通じてUTM事業を拡大していく点が良いと思います。日本と海外を比較した時、ドローンや空飛ぶクルマに関しては、中国やアメリカ、シンガポールなどから始まると考えています。とりわけ、私が専門とする空飛ぶクルマに関しては、日本より東南アジアの方が伸びる可能性があると思います。というのも、貧富の差が激しい国における富裕層ほど、新しいものに飛びつく傾向がありまして、空飛ぶクルマはまさに注目の的になるのではないかと思います。そういう意味でも、東南アジアにも拠点をもつTerra Drone社は大きな可能性を秘めていると思います。

波多野様)
私自身、エンジニア会社におりましたので、日本企業が構築した海外インフラ向けシステムは、なかなか上手くいかない姿を目の当たりにしてきました。そのため、ドローン産業におけるシステムは、ヨーロッパ規格が現地で確立したのち、日本に展開されてくる可能性が高いと思います。そこでユニフライ社のUTM技術がヨーロッパ規格となることができれば、Terra Drone社が社会にもたらすインパクトというのも非常に大きくなるでしょう。

UTMは、ドローンサービスの基盤インフラになると考えておりますが、これは世界レベルで見てもまだまだ開発途中です。そうした状況下で、ヨーロッパにおけるUTMスタンダードを目指すユニフライ社があります。我々としては、それにTerra Drone社と協働することで、日本企業が世界のインフラシステム面でリードしていくことを目指していきます。

また、Terra Drone社が世界のドローン市場における中核企業となり、インフラシステムの分野で初めて日本発のグローバル企業になることを期待し応援していきます。

徳重)
私たちTerra Drone社はスタートアップ企業ですが、この10年ほどで業界自体が変化してきているように思います。集まる人材の優秀さも変わってきていますし、集まるお金も変わってきています。ただもっとインパクトを社会に与えるには世界を見て事業をやる必要がありますし、我々自身も世界で事業展開してきました。そのうえで、世界でやるためには大きな資金を集める必要がありますが、それに対応できるVCは現時点で日本には多くありません。その中でJOIN様には支援制度を通じて新しい道を切り開いていただきました。それに対して、我々はより早くより大きなリターンをもって恩返ししたいと思いますし、スタートアップ業界がより盛り上がっていってほしいと思います。

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