エゴン・シーレ展 from the collection of the Leopold Museum
Leopold Museum→Tokyo
ウィーンはレオポルド美術館より来日したコレクションを、無事鑑賞することができました。
2014年に現地で彼の作品を間近に観てから、約10年後の再会となる作品も。来日するどんな展覧会もそうですが、現地で拝見していた場合、現地で受けた感覚との比較ができることは大きい。よくも悪くも作品は「お客様」顔をしており、それはそれでチャーミングです。
シーレといえば、生と死の境をあいまいにさせる問いや、エロティックに見える女性モデルのドローイングを思い起こさせます。
ですが、実はいくつも残している風景画も本当に素晴らしい。レオポルドを訪れた際に感動した彼の見たオーストリアの風景も、今回しっかり来日を果たしていました。
人はパートナーを得ると、自身で気付かずとも、世界の捉え方、そして関わり方ががらりと変化する。シーレが描く女性ポートレートも、愛すべきパートナーが出てきた瞬間に様相が変化してきます。
クリムトが、女性に「美とオーラ」を求め、一定の「理想美が入る隙間」をもってやわらかな色彩を描いたとしたなら、シーレはそこに「美とリアル」を残酷なほど感じ取って、「現実の光と線」をもって描いていったように感じます。
若くなくなったシーレですが、その若さに一筋の羨望すら感じる、作品の濃さでした。
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