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はじめてのレザーケア〜トラベラーズノート・ロロマクラシック編

今回は革製品のケアについてのコラムです。

普段愛用している2冊のノート・手帳を、レザーケア初心者の筆者がどのように行ったかお話しします。

トラベラーズノート(キャメル)編

トラベラーズノートは、トラベラーズカンパニー(文具メーカーのミドリから独立したプロダクト)から販売されているノートです。

本革のカバーとさまざまなリフィルをゴムバンドで留めるシンプルな構造、かつカスタマイズ性の高い機能が世界中のユーザーに支持されています。

筆者が使っているのはパスポートサイズ、色はキャメル。
1年弱使い、油染みと細かい傷が気になってきたため、ケアを試みることにしました。

トラベラーズカンパニーのオンラインショップでは、ケア用品としてドイツ製の人間や環境に害のない「ラナパー」が販売されています。
今回はこちらを購入してみました。

結論から述べると、キャメルに限っては色を生かしたい場合、ラナパーでのケアは必要ありません。

なぜなのかは後述するとして、まずは下調べが不十分なまま試みた一部始終をお届けします。

ケアにあたり、全てのリフィルとゴムバンドを外します。

表面は専用のブラシで細かいちりやほこりを取り除いておきます。
今回はブラシの入手が間に合わなかったため、ティッシュで軽く細かいごみをはらいました。

革製品用のブラシは安いものだとダイソーで購入できるようです。
定期的にレザーケアをしていきたい場合は、しっかりした品質のブラシ購入を推奨します。

トラベラーズカンパニーの公式サイトによると、トラベラーズノートのケアではラナパーは少量でよいとのこと。
付属のスポンジにラナパーを取ります。

いきなり真ん中に置いたら、思いのほか伸びず。
色が濃くなってしまいました。

トラベラーズノートに使用されている革、とりわけキャメルのものは柔らかい分、ラナパーの油分をよく吸収して色が濃くなってしまうそうです。

本来はキャメルの色合いを残したまま経年変化を楽しみたい場合は、特にケア用品を使わなくてもよいとのこと。
自然と革の変化を待ったほうが色を保持できるようです。

しかし色ムラを残したまま中途半端に終わるのは悔しい。
それに、元々は油染みを目立たなくしたい・細かい傷の保湿が目的だったため、今回だけはケアを継続しました。

表紙部分は別色のブラウンくらい濃くなってしまいましたが、油染みや傷は目立たなくなりました。
裏面はかなり薄く伸ばしたため、キャメルの色合いを何とか残せました。

表紙 日焼けしたキャメル
裏表紙 割とそのまま

若干色は濃くなってしまいましたが、表面がしっとりして、これはこれでいい味が出ました。

ブラックやブラウンはラナパーでケアをしても色が大きく変化することはなさそうですが、いずれにせよ事前に下調べをしてからのケアをおすすめします。

ロロマクラシック編

レイメイ藤井が展開するシステム手帳ブランド「ダ・ヴィンチ」の名を冠する、ロロマクラシック。
システム手帳の人気は定着して久しく、特にロロマクラシックは重厚な佇まいから男女問わず支持を得ている手帳のひとつです。

ロロマクラシックに触れるにあたり、事前知識として覚えておきたいのが使われている革の特徴です。

植物性タンニンで1.5倍の時間をかけ2回鞣し、オイルとワックスをたっぷりと染みこませた重厚な革は、磨くことによって輝きが増し、ジュエリーの様な艶を感じることができる。

Davinciのこだわり:Roroma Classic:
レイメイ藤井
より引用

購入直後のロロマクラシックはムラのある表面をしています。
手触りもかなり硬質でした。

ですが、日頃触っているうちに手の温度や皮脂ですこしずつ柔らかくなります。
さらに磨くことで、革に染み込んだオイルとワックスが摩擦により滲み出てつやが出るのです。
(※オイルやワックスが革から溢れてくる訳ではありません)

革製品を磨く際は専用のクロスを用いますが、一説によると「ストッキングで磨く」のがよいとのこと。
もちろんきれいな状態のものを使います。

なぜストッキングで磨くのがよいのでしょうか?
調べたところ、このような記述を見つけました。

ワックス使用時にストッキングを使うとこれが不思議なくらい、早くツヤがでるのです。
繊維のキメが細かく、滑りが良いのでワックスが皮革にスピーディにすり込まれるからです。

shoefootcare.netより一部抜粋

ワックスを使う際、相性がいいのがストッキングの素材のようです。
専用のクロスがなくても、身近なもので十分な仕上がりになるのは嬉しいところです。

前述の通り、ロロマクラシックはオイルとワックスを含んだ革が使用されています。
気づいたときにストッキングで磨いていると……

購入から1年半ほど経過して、このようにつやが出てきました。

公式サイトでは「磨くと宝石のような艶が出る手帳」と銘打ってあります。
時折光に当てて、角度を変えながら何度も照り具合を眺めていると、思わずため息が出てしまいます。

おわりに

ひとくちに本革といっても、素材や製法はさまざまです。
それぞれに合わせたケアが必要だと、失敗したり知識を得たりして実感しました。

その分、手入れをするひとときの充足感、手をかけた品への愛着の深まりはひとしおです。

ひとつひとつの品を慈しみながら、年月を重ねてどのような深みを出してくれるのか、じっくりと楽しみたいです。


今後も手帳や文具にまつわるコラム・エッセイを不定期で掲載します。

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